ブログ③脳神経内科研修中の話 1年目8月

2021年8月頃、脳神経内科で研修中のお話です。

 

私はヘトヘトでした。

日々の業務、サマリーや紹介状、返書の書き方にまだまだ慣れておらず、悪戦苦闘する毎日でした。

そもそも仕事が遅いのがいけないのですが不器用で浅学のため仕方がありません。

その日も午後5時の定時で仕事が終わらず、病棟で仕事をしていました。

 

ちなみにですが、

☆医師会病院研修医の勤務時間規定 午前8時30分~午後5時 です。

残業はしてもいいししなくてもいいです。

指導医からは徹底して5時に帰っていいよと言われます(言われない時もあります)ので

安心して医師会病院の研修にご応募ください。

 

 

 

日が沈み消灯時間が近づいた頃、

夕方の回診をできていなかったことに気がつき、検査目的で入院中の患者さんを訪室しました。

 

ベッドに腰掛け、懐中電灯を握りしめた男性患者さん。

「その懐中電灯はどうしたんですか?」

尋ねると照れ臭そうに理由を教えてくれました。

 

「私はここ(病室)から見えるマンションに妻と2人で住んでいてね、ほら、あの辺。見える?

消灯して眠る時におやすみの挨拶を懐中電灯でするんだ。懐中電灯を2回光らせて。

この年になっても妻はね、私がいないと眠れないんだって。もう少し待っていたら先生も見られるよ。」

 

照れ臭そうに言いながら、穏やかな表情を浮かべていました。

携帯電話でもおやすみが言えるけど、

懐中電灯のおやすみの光は暖かく、お互いの無事を祈っていて、私の心はとても温まりました。

 

患者さんは病と戦うために入退院します。

私はそれを助ける仕事が医療職だと思います。

穏やかな表情を守るための手助けができるならそれはなんて幸せな仕事でしょうか。

 

私は2人の時間を邪魔したくなく退室しました。

ヘトヘトだった体が元気になったようでした。

 

〈医師会病院からの夜景〉

病院からその患者さんの家の方角を見る度に思い出して心が温かくなります。

 

※ブログへの記載了承済

 

ブログ④種子島医療センター 2年目8月

2022年8月1日から8月30日までの1か月間、

種子島医療センター 脳神経外科で研修させて頂きました。

脳梗塞発症時のアルテプラーゼ静注療法をはじめ、限られた医療資源や交通手段を最大限に活用し

救命や予後を改善するための取り組みを実際のライブ感で体験することができました。

 

↑ 種子島医療センター脳神経外科の先生方がMRI撮像中にアルテプラーゼ静注をしている写真です。

かっこいい!チームワーク!!!

 

残念ながら8月9日から咳・咽頭痛と発熱があり、

10日にPCR検査で新型コロナウイルス陽性と判明し、自宅隔離となってしまいました。

せっかく島に研修にきたのにと落ち込みました。

 

ですが、落ち込んでばかりいられないので部屋で今までの研修の復習や筋肉トレーニングにいそしみました。

隔離期間中は指導医の先生方に大変気遣っていただいたり、

総務課の方々にも薬や食事の手配をしていただいたりし、本当に助かりました。

 

島の温かさを実感した日々でもありました。

コロナ感染後の保健所対応などコロナ禍においての地域での医療を身をもって学ぶことができたかなと思います。

咳や嗄声など後遺症はけっこうきつかったですが…

 

 

また2日間、大規模ワクチン接種の問診をお手伝いもすることができました。

短い時間ではありましたが、島民の方々と会話することができました。

皆様優しくおおらかで種子島は素晴らしい島だなと改めて実感しました。

 

                                   ↑ 同期の研修医の先生に問診する様子です。

 

短い研修期間ではありましたが、美しい島でのびのび研修ができました。

 

ブログ②内視鏡室で。1年目11月

2021年の10月と11月は鹿児島市医師会病院の消化器内科での研修でした。

 

朝回診→上部内視鏡検査、午後から下部内視鏡検査→夕方の回診、

緊急ERCPや救外対応があれば対応、が主な一日の流れです。

 

鹿児島市医師会病院消化器内科の研修はどの病院の研修医よりも内視鏡を持たせて頂けるのではないでしょうか。

 

自分で血管を探してミダゾラムで鎮静をかけ内視鏡を挿入し写真を撮り所見を書く。

 

初めての経験だらけでしたがとても有意義な研修でした。

 

初日の上部内視鏡挿入時の時のお話です。

 

挿入はうまくいったものの胃に入ってからカメラが動かない、動かない。

思った方向にカメラの先端を向けられない、胃壁と近づきすぎたり遠くなったり、距離がわからなくなり、今どこをみているか全くわかりませんでした。

 

検査に一緒についた看護師さんに

「先生、1ミリも進んでないですよ」

・・・いや、2ミリか3ミリはすすんでいます。

「先生、画面が揺れすぎて酔いそうです」

・・・ほんとうにごめんなさい。

自覚はありましたがこんなに不器用かと落ち込む毎日でした。

 

内視鏡室の技師の方々にとても丁寧にご指導頂きました。

高価な内視鏡の取り扱い方やカメラの特性を詳しく教えてもらいました。

 

 

 

空いた時間に胃の模型を使用し納得いくまで練習しました。

 

 

 

患者さんの侵襲にならないように、一緒についた看護師さんや技師さんのために検査を早く正確に終わらせることを目標に少しずつ努力しました。

 

2か月の研修が終わるころには一通り内視鏡の操作ができるようになっていました。

最終日に幽門部を超えて十二指腸まですっと挿入できたのはとてもうれしかったです。

消化器内科の指導医の先生方には楽しく優しく厳しく毎日ご指導頂きました。

今後の医師人生にも大きな助言を頂きました。

 

自分の内視鏡検査は医師会の消化器内科の先生にしてもらいたいなと、

いややっぱりやめておきます。

自分がかけたくらい長時間の検査されてしまうかもしれないので・・・

久保