久保 敏大

ブログ⑥産科婦人科のぼり病院 2年目10月

研修2年目の2022年10月に鹿児島市荒田の産科婦人科のぼり病院で研修させて頂きました。

研修内容としては外来と病棟診察見学、胎児エコーの実施、お産の介助、帝王切開の助手、新生児の沐浴、おむつ替えなど多岐に渡る研修をさせて頂きとても充実した日々でした。

〈産科婦人科のぼり病院〉

 

1か月間で帝王切開に6回入ることができ、自然分娩も約20例経験できました。

 

産声が上がり、スタッフが「おめでとうございます」と言う度に、

心の底から湧き上がる泣きそうな感動に毎回包まれていました。

 

うぶ声は何回聞いてもいいものだよと、

理事長の昇眞寿夫先生が仰っていたのが印象的でした。

 

帝王切開では私が閉腹に入ると時間がかかるのにも関わらず先生方と手術スタッフには根気強く指導して頂きました。

様々なことを助産師さん、看護師さん達から丁寧に親切に指導して頂きました。

 

 

〈閉腹時、蔵屋先生と〉

 

汗まみれになりながら新生児の沐浴を実施しました。

一回で腰が爆発しそうなほど痛くなりました。

普段使わない大殿筋が筋肉痛になり、翌日、翌々日まで上腕筋がプルプルしていました。

翌週その話をしたら看護師さんたちに爆笑されました。

 

体勢の工夫はどんな仕事でも大切だと改めて感じました。

 

 

院長の昇晃司先生、理事長の昇眞寿夫先生、副院長の蔵屋先生にはとても丁寧に優しく指導して頂きました。

 

指導医の昇晃司先生は朝も昼も夜も休日も関係なしに、患者さんと新しい命、病院運営やスタッフの為に働き続けておられました。

1か月の研修では産婦人科領域全てを学ぶことはとても無理だと思いましたが、1人の医師としての責任と気概を側にいることで学ぶことができたと思います。

 

素敵な病院で研修できて幸せでした。

病院の雰囲気も生命の誕生も一人で閉腹したことも私の人生の財産になったと思います。

先生方、助産師さん、看護師さん、看護助手さん、事務の方々、スタッフの方々にこの場をお借りて厚く御礼申し上げます。

 

大事なことを書き忘れていました!

御飯がとてもとても美味しかったです!!!!

美味しすぎて1か月で体重プラス2㎏でした!!!

 

ブログ⑤ 鹿児島大学救急科 2年目4~5月

2年目の研修が始まり2022年4月と5月の2か月間を鹿児島大学救急科で研修させて頂きました。

主に救急外来対応、カンファレンス、回診、病棟業務が一日の流れでした。

新型コロナウイルス流行時期でもあり、発熱した患者さんがいるとフル装備で診療にあたります。

N95マスク、フェイスシールド、長袖ガウン、手袋二重・・・

 

一度着てしまうと着脱の手間や医療資源の問題もありますので、同じくフル装備の担当の外来看護師さんと陰圧の隔離室に入り、長時間汗をかきながら診察や検査をしていきます。

 

患者さんの着替えを手伝っていたら、ベテランの外来看護師さんに褒められました。

「先生、着替えとか患者さんの移乗をよく手伝ってくれるね。助かるよ。」

 

研修1年目の4月に医師会病院で同期の看護師さんと一緒に患者さんの着替え、移乗やベッドメイキングまで教わった経験のおかげかなと、とてもうれしくなりました。

 

医師会病院の研修では一日患者体験として実際に入院します。病院食を食べ点滴も一日流されトイレもポータブルトイレでしました。

 

酸素マスクをつけて眠る研修医

 

ごはんを食べさせてもらう研修医

 

「これからもそんな風に患者さんの話をよく聞くお医者さんでいてね」

 

もう一つベテラン看護師さんから言われたうれしい言葉とともに医師会での研修を忘れないようにいようと思った救急研修の日々でした。

 

ブログ③脳神経内科研修中の話 1年目8月

2021年8月頃、脳神経内科で研修中のお話です。

 

私はヘトヘトでした。

日々の業務、サマリーや紹介状、返書の書き方にまだまだ慣れておらず、悪戦苦闘する毎日でした。

そもそも仕事が遅いのがいけないのですが不器用で浅学のため仕方がありません。

その日も午後5時の定時で仕事が終わらず、病棟で仕事をしていました。

 

ちなみにですが、

☆医師会病院研修医の勤務時間規定 午前8時30分~午後5時 です。

残業はしてもいいししなくてもいいです。

指導医からは徹底して5時に帰っていいよと言われます(言われない時もあります)ので

安心して医師会病院の研修にご応募ください。

 

 

 

日が沈み消灯時間が近づいた頃、

夕方の回診をできていなかったことに気がつき、検査目的で入院中の患者さんを訪室しました。

 

ベッドに腰掛け、懐中電灯を握りしめた男性患者さん。

「その懐中電灯はどうしたんですか?」

尋ねると照れ臭そうに理由を教えてくれました。

 

「私はここ(病室)から見えるマンションに妻と2人で住んでいてね、ほら、あの辺。見える?

消灯して眠る時におやすみの挨拶を懐中電灯でするんだ。懐中電灯を2回光らせて。

この年になっても妻はね、私がいないと眠れないんだって。もう少し待っていたら先生も見られるよ。」

 

照れ臭そうに言いながら、穏やかな表情を浮かべていました。

携帯電話でもおやすみが言えるけど、

懐中電灯のおやすみの光は暖かく、お互いの無事を祈っていて、私の心はとても温まりました。

 

患者さんは病と戦うために入退院します。

私はそれを助ける仕事が医療職だと思います。

穏やかな表情を守るための手助けができるならそれはなんて幸せな仕事でしょうか。

 

私は2人の時間を邪魔したくなく退室しました。

ヘトヘトだった体が元気になったようでした。

 

〈医師会病院からの夜景〉

病院からその患者さんの家の方角を見る度に思い出して心が温かくなります。

 

※ブログへの記載了承済