2022年10月

ブログ③脳神経内科研修中の話 1年目8月

2021年8月頃、脳神経内科で研修中のお話です。

 

私はヘトヘトでした。

日々の業務、サマリーや紹介状、返書の書き方にまだまだ慣れておらず、悪戦苦闘する毎日でした。

そもそも仕事が遅いのがいけないのですが不器用で浅学のため仕方がありません。

その日も午後5時の定時で仕事が終わらず、病棟で仕事をしていました。

 

ちなみにですが、

☆医師会病院研修医の勤務時間規定 午前8時30分~午後5時 です。

残業はしてもいいししなくてもいいです。

指導医からは徹底して5時に帰っていいよと言われます(言われない時もあります)ので

安心して医師会病院の研修にご応募ください。

 

 

 

日が沈み消灯時間が近づいた頃、

夕方の回診をできていなかったことに気がつき、検査目的で入院中の患者さんを訪室しました。

 

ベッドに腰掛け、懐中電灯を握りしめた男性患者さん。

「その懐中電灯はどうしたんですか?」

尋ねると照れ臭そうに理由を教えてくれました。

 

「私はここ(病室)から見えるマンションに妻と2人で住んでいてね、ほら、あの辺。見える?

消灯して眠る時におやすみの挨拶を懐中電灯でするんだ。懐中電灯を2回光らせて。

この年になっても妻はね、私がいないと眠れないんだって。もう少し待っていたら先生も見られるよ。」

 

照れ臭そうに言いながら、穏やかな表情を浮かべていました。

携帯電話でもおやすみが言えるけど、

懐中電灯のおやすみの光は暖かく、お互いの無事を祈っていて、私の心はとても温まりました。

 

患者さんは病と戦うために入退院します。

私はそれを助ける仕事が医療職だと思います。

穏やかな表情を守るための手助けができるならそれはなんて幸せな仕事でしょうか。

 

私は2人の時間を邪魔したくなく退室しました。

ヘトヘトだった体が元気になったようでした。

 

〈医師会病院からの夜景〉

病院からその患者さんの家の方角を見る度に思い出して心が温かくなります。

 

※ブログへの記載了承済

 

ブログ④種子島医療センター 2年目8月

2022年8月1日から8月30日までの1か月間、

種子島医療センター 脳神経外科で研修させて頂きました。

脳梗塞発症時のアルテプラーゼ静注療法をはじめ、限られた医療資源や交通手段を最大限に活用し

救命や予後を改善するための取り組みを実際のライブ感で体験することができました。

 

↑ 種子島医療センター脳神経外科の先生方がMRI撮像中にアルテプラーゼ静注をしている写真です。

かっこいい!チームワーク!!!

 

残念ながら8月9日から咳・咽頭痛と発熱があり、

10日にPCR検査で新型コロナウイルス陽性と判明し、自宅隔離となってしまいました。

せっかく島に研修にきたのにと落ち込みました。

 

ですが、落ち込んでばかりいられないので部屋で今までの研修の復習や筋肉トレーニングにいそしみました。

隔離期間中は指導医の先生方に大変気遣っていただいたり、

総務課の方々にも薬や食事の手配をしていただいたりし、本当に助かりました。

 

島の温かさを実感した日々でもありました。

コロナ感染後の保健所対応などコロナ禍においての地域での医療を身をもって学ぶことができたかなと思います。

咳や嗄声など後遺症はけっこうきつかったですが…

 

 

また2日間、大規模ワクチン接種の問診をお手伝いもすることができました。

短い時間ではありましたが、島民の方々と会話することができました。

皆様優しくおおらかで種子島は素晴らしい島だなと改めて実感しました。

 

                                   ↑ 同期の研修医の先生に問診する様子です。

 

短い研修期間ではありましたが、美しい島でのびのび研修ができました。