北部九州をはじめ日本各地を襲った豪雨被害は,8・6水害を経験している私達からみても凄惨なものでした。被害者救済と復興は一体いつになることかと考えていたら,今度は鹿児島湾内を震源とする強い地震の発生。揺れていたのは極く短時間でしたが,初めて経験する震度5強の地震に驚いた方も多かったのではないでしょうか? 幸いにも被害はほとんどなく,その後の余震の影響もありませんでしたが,残念だったのは地震発生時とその直後に自分が全然動けずに初動が遅れた事。揺れがもっと長く続いたらと考えるとぞっとします。防災に対する意識がまだまだ甘いと反省させられました。
今月の「誌上ギャラリー」は相良先生よりお寄せいただきました“黎明館のハス”です。葉の濃い緑が夏の力強さを思わせる反面,不思議と静寂を感じさせる一枚ですね。
緑陰随筆特集では,会員の先生方以外にも関係各方面の方々からたくさんのご寄稿をいただきました。内容も多岐に渡り,バラエティーに富んだ大変読み応えのある特集となっています。有難うございました。
「医療トピックス」は中島先生から,便秘型過敏性腸症候群の治療薬について,病型分類から各薬剤の作用機序と用法・用量をはじめ,最新の治療薬に関する特徴までわかりやすく解説していただき,大変参考になりました。
「学術」では5月31日に行われた内科医会総会にて国立循環器病研究センターの小倉先生に“家族性高コレステロール血症〜意外と多い身近な脂質異常症〜”と題してご講演いただいた内容を掲載させていただきました。疫学や問診における家族歴の重要性,理学所見のポイントから最新の治療法にいたるまでわかりやすく解説していただきました。有難うございました。
「随筆・その他」では古庄先生から【ノーベル賞受賞者】と題して,中央アフリカの貴重な記念切手をご紹介いただきました。小田原先生からは“シリーズ医療事故調査制度とその周辺(6)”と題して平成24年2月の厚労省内での医療事故調査に関する検討部会の立ち上げから平成26年6月の改正医療法成立までの経緯を,その間の厚労省との交渉内容を含めてリアルに解説していただきました。リレー随筆は宇都先生からご寄稿いただいた“「へびを飼う」ということ”。その魅力から飼育法のノウハウまで丁寧に綴っていただきました。男女問わず長物はどうも苦手という方も多いとは思いますが,愛好家の皆様のかける情熱はかなりディープと聞いております。飼ってみれば面白いものかもしれませんね。有難うございました。
「鹿市医郷壇」今月号の題吟は「理由」でした。毎回感心して拝見しております。ひねりの効いた楽しい作品のご投稿有難うございました。
夏休み時期の映画館は家族連れ等で大変賑わうのが常ですが,この夏は例年以上にCGを駆使した大作が目白押しです。涙腺が開きっぱなしになるような感動作品もいいものですが,映画の中でしかありえないような非現実的で娯楽に徹した作品も,余計な事を考えずに頭の中を空っぽにして楽しめるというもの。3D版は老眼が進みつつある私は頭痛が出るのでパス。通常字幕版で充分です。いい年して子供じみてると周囲から後ろ指をさされつつも,そこは子供の頃に特撮ヒーロー物で育った世代。週末は(できれば平日も)夜な夜な映画館へ足を運ぶ事になりそうです。
(編集委員 寺口 博幸)

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