=== 新春随筆 ===
7回目の酉年に“音楽に惹かれていった自分”をみる |
(昭和20年生)
|
西区・伊敷支部
(徳田・馬場クリニック) 馬場 國昭
|
|
新年明けましておめでとうございます。鹿児島市医師会の皆様にとって今年が良き年でありますように祈念いたします。
今年で医師になり46年,開業医として29年になる。趣味はビデオ・写真撮影,ゴルフ,音楽鑑賞など種々雑多。今回は音楽への思いをいろいろと書いてみたい。小学校に入った頃は父が蓄音機でよく聴いていた流行歌は歌えても,小学唱歌はあまり上手に歌えなかった。戦争の傷跡が残る昭和28年頃,父の仕事の関係で暮らした旧日置郡市来町の川上では各家庭に銅線1本が引かれて有線放送が1日中流れていた。その中にNHKのクラシック音楽があり,曲が終わって盛大な拍手があったことを強く記憶している。中学・高校ではNHKラジオで日曜日に放送される朝の名曲をよく聴いた。昭和40年には大学に入学しアルバイトで得た資金で卓上型のステレオを買った。最初に買ったLPレコードはブルーノ・ワルター指揮のベートーベンの交響曲第6番「田園」。これはお気に入りとなりレコード針(サファイヤ・ダイヤ)を何回となく買いに行った。当時は市電の片道運賃が20円位の頃でLPレコード1枚が2,000円と高価で学生には何枚も買えるものではなかった。数年後に十数万円もするセパレートタイプのステレオ(PIONEER)を父が買ってくれたのでとても嬉しかった。高価なLPレコードはそんなに買えないためNHKのFMステレオ放送の音楽をよく聴いた。社会人になりアンプ(SANSUI)やスピーカー(YAMAHA; NS-1000)をアップグレードしてクラシックからポピュラーミュージック,ジャズなどを幅広く聴くことにした。
父が亡くなり母が一人暮らしになったのでスピーカー(B&W)・アンプ(McIntosh)を実家に置き週に1回は親孝行にと思い,そこに泊まりに行って音楽を聴いた。夜遅くになると母はベッドに横になり聴いていたが,軽度の難聴もあり「いい音がするね,うるさくない」とのこと。
昨年はネット配信される“ハイレゾ音楽”を聴けるようにしてスピーカー(TANNOY)も買い直した。城山団地の実家の後に新築した家には週に1〜2回泊まりに行きそこでCD,SACD,ベルリン・フィルのデジタルコンサートなどを聴いている。現在よく聴いている曲は市内で眼科を開業されていた川畑平一郎先生に教えていただいたベートーベンの“Choral Fantasy”,冷戦時代に鉄のカーテンの向こうで有名だった幻のピアニスト“リヒテル”の弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第2番,チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番です。好きな指揮者はフルトヴェングラー,トスカニーニ,ブルーノ・ワルター,イシュトヴァン・ケルテス,サイモン・ラトル,ピアニストはルービンシュタイン,バイオリニストはダビッド・オイストラフ,ヘンリク・シェリングなど。
印象に残っている生の演奏は大阪で聴いたレナード・バーンシュタインが指揮するニューヨーク・フィル,そのほか鹿児島での演奏会はイ・ムジチ合奏団,モスクワ・フィル,ボリショイ・バレエ,NHK交響楽団など。毎年冬に来鹿する日本フィルも楽しみだ。
70歳になってからボケ防止を兼ねてピアノレッスンに月に2回,筋トレに週1回,スイミングに月3回出かける。ほとんどの中学・高校の同級生は定年になり年金生活をしているが,医師は定年の時期を自分で決められる。自分はまだまだ頑張れると思っている。
今年はベルリン・フィルの生の演奏を聴きに行きたい。

|
このサイトの文章、画像などを許可なく保存、転載する事を禁止します。
(C)Kagoshima City Medical Association 2017 |