編集後記


 私は某県立高校の校医を務めている関係からその学校の教育評価委員も兼ねております。先日行われた評価委員会の会合の席で,今年の夏の参院選から選挙権が18歳まで引き下げられることに関して,投票はよいとしても選挙前の政治集会等に現役の高校3年生が参加する可能性に対して学校側の対応はどうなのかという意見が出されました。まだ協議中とのことでしたが,それはおいておくとして,今の高校生達は政治に対してかなり興味を持っており,投票にも積極的に参加したいという意見が大部分とのこと。政治への無関心・投票率低下が問題になっている今日,大変結構なこととは思いますが,与党政治家の不祥事がちらほら出ている中,若い彼らがどのような考えをもって一票を投じるのか,興味があるところです。
 今月の「誌上ギャラリー」は大山先生からお寄せいただきました“ももの花”です。背景の木々や菜の花(?)の黄色と緑に映える桃の花の色が鮮烈で,春に芽吹く花の力強さが感じられる一枚ですね。
 「論説と話題」では平成27年度桜島火山爆発総合防災訓練の様子を年永理事にご報告いただきました。昨年から唐突に火山活動を活発化させ,噴火警戒レベルを上げている桜島。有時の際に備えての各関係機関の連携と避難体制の構築のため,こういった訓練の重要性を痛感します。
 「医療トピックス」では瀧下先生から“添付文書に自殺企図・自殺念慮等の記載がある薬剤”についてご紹介いただきました。インターフェロンや抗精神病薬はわかりますが,意外に抗ヒスタミン剤や抗真菌薬なども該当しており,特にこれからの時期は花粉症に対して抗ヒスタミン剤の処方頻度が高くなるので要注意です。大変参考になりました。
 「学術」では鹿児島医療センター歯科口腔外科の中村先生から,同センターにおける医科歯科医療連携の現状についてご報告いただきました。悪性腫瘍等の周術期のみならず,循環器疾患をはじめ様々な領域の治療における歯科の役割と医科歯科連携の重要性がよくわかりました。地域歯科医療機関との連携強化を含めて今後の益々の発展を期待いたします。ありがとうございました。
 「随筆・その他」は2人の先生からご寄稿いただきました。古庄先生からは“パラケルスス・マレン・パラグアイの医師”と題して8枚が紹介されています。毎回珍しい切手のご供覧,そのコレクションの多さに感心いたします。ありがとうございました。
 リレー随筆では魚住先生より“ピンク・フロイド, キング・クリムゾンは, いかがですか?”と題して,1960後半〜70年代の音楽シーン,特にロック系についてマニアックというかオタクというか・・とにかく熱く語っていただきました。まだまだ書き足りないご様子ですので,是非とも第2弾のご寄稿をお待ちいたしております。ありがとうございました。
 「鹿市医郷壇」3号の題吟は「試験」でした。自分にも思いあたる事ばかりで面白く拝見させていただきました。いつも楽しいご投稿ありがとうございます。
 誌上ギャラリーの桃の花も素敵でしたが,今の時期はあちこちで梅の花が楽しめます。近隣の公園にもちらほら咲いておりますが,有名なのは東郷町・藤川天神にある臥龍梅でしょうか。ほぼ毎年見に行っておりますが,タイミングが悪いのか満開時期をはずしてばかりでパンフレット等にのっているような見事な景色はまだ目にした事がありません。今年のように寒暖の差が激しいと例年にもまして心配ですが,懲りずにまた出かけるつもりです。

                                 (編集委員 寺口 博幸


                                              

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