このたび、故永徳天真氏の後を受けて、伝統ある鹿市医郷壇の選のお手伝いをさせていただくことになりました、樋口一風と申します。
雪尾先生・天声先生・風雲児先生・天真先生と薩摩郷句界の大御所の後に浅学菲才の私でいいのか躊躇もしましたが、薩摩弁が消えてしまいそうな時に医師会の先生方が、薩摩郷句に興味を持っていただいていることを、鹿児島弁の存続に務めている者にはありがたいことですのでお引き受けいたしました。
薩摩郷句の三要素は「穿ち味」「滑稽味」「皮肉味」です。ともすれば誹謗・侮辱・罵倒などになりやすいですが人間の心の叫びや人情を、鹿児島の言葉で軽妙酒脱に五・七・五の句に詠んでいただければこの上もない幸せであります。
句を読んで「じゃっどじゃっど」と思わず膝を叩くのが薩摩郷句の神髄だと思います。
故三條風雲児先生が薩摩狂句から薩摩郷句に変えられたのも誹謗や侮辱など、今で言うハラスメント的な句が多かったので狂句でなくて、上品な郷土の文芸として確立しようと郷句に変えられました。
尊い人命を預かり日々激務の先生方にも薩摩郷句でふっと息を抜いていただければストレス解消にもなると思います。
郷句は人間諷評の詩であり、人間批判の詩でもあります。人間の行動や自分の周囲に起きたことなどを客観的に観察して、ふだん自分たちが使っている鹿児島弁で表現してみましょう。
それぞれの思いを十七音字に纏めるのは難しいことです。郷句は削ることから始まります。無駄を省いて端的に読んでみましょう。
御縁をいただきましたので、先生方に郷句の面白味をお伝えできるようご一緒に勉強させていただきたいと存じます。
略 歴
平成八年渋柿会入会
※薩摩郷句 渋柿会副会長
郷句誌「渋柿」編集人
※川柳結社平成八年「雑草社」入会
雑草社総務
鹿児島市中央公民館川柳教室講師
垂水川柳会講師
薩 摩 郷 句 募 集
◎7 号
題 吟 「 苦労(くろ)」
締 切 平成27年6月5日(金)
◎8 号
題 吟 「 疲れ(だれ)」
締 切 平成27年7月6日(月)
◇選 者 樋口 一風
◇漢字のわからない時は、カナで書いて応募くだされば選者が適宜漢字をあててくださいます。
◇応募先 〒892-0846
鹿児島市加治屋町三番十号
鹿児島市医師会 『鹿児島市医報』 編集係
TEL 099-226-3737
FAX 099-225-6099
E-mail:ihou@city.kagoshima.med.or.jp |
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