 鹿児島市医師会の皆様に謹んで新年のお慶びを申し上げます。また,日頃から本会事業に対し温かいご理解とご協力を賜り,心から感謝申し上げます。
鹿児島県看護協会は,保健師・助産師・看護師・准看護師が加入しており会員数は11,588人(平成26年11月現在)で,年々増加しております。7つの地区で構成し,地区ごとに特徴ある事業も実施しております。
昨年は,新たな事業として,まず,「助産師出向支援モデル事業」に取り組みました。県内の就業助産師は526人(平成24年12月)ですが,65%近くが鹿児島市内の病院に勤務しています。地域偏在が少しでも改善でき,助産師の実践能力が向上できるよう協議会を立ち上げ検討いたしました。結果として鹿児島大学病院の助産師1人が済生会川内病院へ出向,また,研修目的の人材交流として,鹿児島市立病院と柿木病院・のぼり病院の助産師がそれぞれ1〜2カ月間,双方の病院で研修することができました。自施設で経験できない貴重な学びができたと大変好評です。この制度が定着すると,キャリアアップを目指して転職する助産師も減るのでは?という感想もありました。施設のマッチングに苦労いたしましたが,本事業を継続していきたいと考えています。
2点目は,在宅・介護領域の看護機能の強化として,看護師職能委員会Uの事業に力を注ぎました。退院支援に関する研修や介護・福祉施設の看護職の研修,多職種との連携事業などです。地域包括ケアシステムの構築に向け,保健師をはじめ看護職が地域で活動できるようさらに事業を工夫してまいります。その他,ワークライフバランス推進ワークショップ,ハローワーク鹿児島での看護職による就業相談,看護師再就業セミナー(熊毛・川薩地区で実施),助産師再就業セミナー,訪問看護師の育成,認知症ケア,エンド・オブ・ライフケア(エルネック)に関する研修など実施いたしました。
さて,本年度は,看護職にとって歴史に残る1年になるのではないかと思います。長い間議論されてまいりました「特定行為に関する研修制度の創設」や「離職看護師の登録制度の義務化」等,看護職の役割拡大や看護職確保対策が加速いたします。この2つの制度が,いつでもどこでも切れ目なく必要な医療を受けられるような仕組みにつながるよう努力してまいりたいと思っています。
今後,医療・介護のパラダイムシフトに対応し公益社団法人として県民のニーズにこたえ,さまざまな事業を創出していく必要があります。本年も是非皆様のご指導をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
結びに,貴医師会のますますのご発展を祈念申し上げて新年のご挨拶といたします。

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