年が明けて早一カ月。まだまだ寒い毎日が続いていますが,日ごとに日照時間も増えて春の訪れも近づいてきているようです。しかしながら消費税増税・診療報酬改定も近づいており,そろそろ概要の噂が耳に入ってくる時期でもあります。あまり良い話もなさそうで・・・医療業界にとってはまだまだ春は遠いといえそうですね。
今月の「誌上ギャラリー」は“朝日と気球群”。洞窟遺跡で有名なトルコのカッパドキア:ギョレメ渓谷を収めた作品です。朝焼けに浮かぶ気球群のシルエットと真っ直ぐな地平線のコントラストが日本国内ではまず見ることができない大陸ならではの雄大さを感じさせる一枚です。
「論説と話題」では昨年11月26日に行われた鹿児島市医師会会員受賞祝賀会と,先月6日に行われた年始会の模様をご報告いただきました。受賞された先生方のご功績は素晴らしいもので,この度の受賞は鹿児島市医師会にとっても大変名誉なことです。本当におめでとうございました。
「医療トピックス」では桐野先生から“尿素呼気試験によるピロリ菌感染診断に影響を及ぼす薬剤”についてご紹介いただきました。最近では胃潰瘍・逆流性食道炎ばかりでなく,症状の強い胃炎などの症例に対してもPPI製剤が第一選択とされることがあり,その処方例も増加してきております。日常診療でもついつい見落としがちなため大変参考になりました。
「学術」では北里大学医学部循環器内科学の猪又先生に“今なぜ高血圧なのか−心不全診療から考える”と題してご講演いただきました。心不全発症のメカニズムからその予防,長期予後改善を目標とした高血圧管理の重要性とその指針までご教授いただき,今後の診療に非常に役立つお話でした。また鹿児島市立病院形成外科の森岡先生から“切断指再接着術”のテーマでご寄稿いただきました。これは内科医の私にとって興味はあっても全く未知の領域であり,術前・術後の注意点から適応,血管・神経縫合を含む手術手技まで詳細に解説していただき,大変勉強になりました。
「随筆・その他」では3人の先生方にご寄稿いただきました。古庄先生から今回は【偉大な科学者 ・ 医師 ・ 偉人】と題して3枚が紹介されています。毎回珍しい切手のご供覧ありがとうございます。三好先生のリレー随筆“私の好きな曲”は,音楽鑑賞の王道ともいえるクラシック音楽の中で,ご自分の好きな楽曲のいくつかをエピソードを交えてご紹介いただきました。クラシックとジャズの好きな方はやはりオーディオ機器にも相当こだわりを持っておられるようですね。西橋先生からの“九月の空”では同名の小説のテーマとご自身の青年期の教員時代のエピソードを重ねて綴っていただきました。
「特集」として平成25年第2号から先月号までの誌上ギャラリーを飾った作品を一括掲載しました。今こうして見直してみても素敵な写真ばかりです。ご協力いただきました先生方には改めて御礼申し上げます。
「鹿市医郷壇」2号の題吟は「惜れ(あったれ)」でした。いつもひねりの効いた楽しい作品のご投稿ありがとうございます。
ソチでの冬季オリンピックがいよいよ開幕です。スキー・ジャンプ・フィギュアスケート等々,男女共に人気も高く好成績が期待できる種目ばかりで非常に楽しみですね。ロシアの火薬庫とも称される地域での開催であり,一応リゾート地とはいえ治安に対する不安は残りますが,大会進行の無事を祈りつつ,また睡眠不足による体調不良にも注意しながら,皆で我らがニッポンを応援しましょう。
(編集委員 寺口 博幸)

|