=== 新春随筆 ===
検査説明・相談ができる臨床検査技師育成について
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新春のお慶び申し上げます。
鹿児島市医師会の先生方におかれましては,ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
また,日頃から鹿児島県臨床検査技師会の運営に際しまして,心温かいご理解とご支援を賜り心から感謝申し上げます。
前回,患者様に検査説明できる技師である前に,患者様と直接お話しする業務において,どのような点に注意すべきか,その心得として「挨拶の重要性」について述べさせていただきました。今回は,検査説明・相談ができる臨床検査技師育成の概要として,日本臨床衛生検査技師会(日臨技)・鹿児島県臨床検査技師会(鹿臨技)の取り組み・指導者講習会方法・今後の検査説明業務運用および将来像について述べさせていただきます。
日臨技は平成25年度の重点事項として「臨床検査の専門職である臨床検査技師として,患者に向けた検査説明と医師および看護師の業務負担軽減を進めることで患者へのサービス向上に取り組む」ことを目的として各関係学会・団体の協力を得ました。さらに指導者育成として各都道府県技師会から1人選出し,平成25年12月6〜8日に「検査説明・相談ができる指導者講習会」を日臨技主催で開催しました。実際の講習内容としましては,この事業に取り組む意義・期待するもの・患者接遇の基本など,医療人としての心得を学びました。さらに,臨床医から講義および助言として実践のR−CPC・検査説明に必要な知識や技術をご教示いただきました。そして,3カ年計画で,本研修会を受講した指導者が中心となり各都道府県において伝達研修会を開催し,検査説明・相談ができる技師育成で診療支援を行うことを目標にしております。
鹿臨技におきましても小生が代表として講習会を受講し,県下の臨床検査技師に伝達講習会を平成26年度より開始いたします。それに先立ち,昨年平成25年11月10日に県民の健康づくりや生活習慣病の早期発見の為に,また臨床検査の正しい知識の普及・啓発を行うことを目的とした「検査と健康展」を開催しました。
今後の検査説明業務運用私案として医師・看護師の業務過多を少しでも支援する体制を目的と考えております。まず,最初から外来で検査説明を始めるよりは,検診業務「人間ドック」の結果説明などで実績を重ねることが重要であります。これをクリアし,検査説明の知識と技術を習得してこそ,初めて医師が必要と認めた場合に電子カルテで検査項目として「検査説明」をオーダーします。そして検査終了後に患者様が検査室に持参していただきますと,検査技師側はその結果を説明するわけでありますが,事前に担当医と相談し分野別の説明分担をしておきます。説明終了後には,依頼書の内容に沿って説明を行ったことを電子カルテに記載する運用。さらに病棟検査技師を誕生させ,早朝の検査結果を担当医へ報告します。その結果として,臨床検査技師としての検体の採取から検査の実施そして検査の説明と,一連の業務遂行できることで,医師・看護師の業務が軽減されるのではないでしょうか。そしてこれらの検査説明技師業務が保険診療報酬として認められることを最重点事項と提案します。また,患者様には「正常値のこだわり」があり,正常値より高い,低いを気にしているので,個人ごとの値があることの重要性を伝えることを忘れてはなりません。
このように,この事業を完了するにはとてつもない大きなハードルがあり,その壁を乗り越える検査知識を身につけることが第一歩であるのでないかと認識しております。そして,実現するまでにはまだしばらく時間がかかりますが,日臨技・鹿臨技会員一致団結して頑張っていきます。
最後に,技師会の機能を十分に発揮するために,鹿児島市医師会の先生方の診療支援チームの医療一員として,しっかりと臨床検査技師の仕事をこなすことができるような技師会活動を行う所存でありますので,ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

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