年々地球温暖化が進んでいるとはいえ,今年の桜の開花の早かったこと・・。私の地元の甲突川沿いは例年やや遅めの開花なのですが,今年は3月下旬にはもう満開を迎え,あれよあれよと見頃の旬も終わってしまいました。すでに葉桜となった樹の下でのお花見はあまり盛り上がらないとみえて,例年より大分静かな春の宵でしたが,私としては何やら寂しい気がします。
今月の「誌上ギャラリー」は“曲水の宴”。仙巌園曲水の庭で四月に行われる歌会の模様を収めた作品です。貴族的な装束をまとって歌を詠む様子は優美で,薩摩の無骨・剛健なイメージとは違いますが,このような風流な行事を愛でる習慣も大事にされていたようですね。
「論説と話題」では4月18日に行われた第4回臨時代議員会及び次期執行部役員選出の報告がなされました。次期役員の任期は一年間と短期間とのことで,猪鹿倉新会長以下,主だった役員の先生方はほとんど留任されており,運営もスムーズに行くものと思われます。また臨床検査センター担当理事の今村先生からは,新体制となった臨床検査センターのこの一年間の動向を御報告していただきました。シェイプアップと効率化を図った現体制は数字の上からも大幅に赤字を減らしており,十分にその成果をあげているようです。
「医療トピックス」では新上先生から“投与期間に上限のある向精神薬”について御紹介いただきました。睡眠導入剤などは精神科領域以外の一般の臨床でもよく使う薬剤ですのでとても参考になりました。
「学術」では徳島大学心臓血管病態医学分野の島袋先生に“2型糖尿病と心・腎・脳イベント最近の考え方”と題して御講演いただきました。今や国民病の一つに数えられる糖尿病。その合併症のリスクマネージメントの考え方,特に残余リスクを減らす工夫について,糖質・脂質代謝の両方からのアプローチを交えた大変興味深いお話でした。
「随筆・その他」では3人の先生方に御寄稿いただきました。古庄先生からは【各種の医学切手B】が紹介されています。毎回珍しい切手の御供覧ありがとうございます。中村先生からは“月夜桜”と題して月明かりに映える桜の荘厳な美しさを収めた一枚。ありがとうございました。有馬先生のリレー随筆“このご恩返しはいつかきっと”は,高校時代の留学経験から始まり,臨床医としての現在まで,紆余曲折?な人生の様々な場面でお世話になった方々への感謝の意をユーモア溢れる文章で綴った一遍。楽しく拝見させていただきました。
「鹿市医郷壇」5号の題吟は「用事(ゆし)」でした。いつも楽しい作品の御投稿ありがとうございます。
新入生・新社会人も一段落して,連休明けの春から初夏へのこの時期はなんとなく身体がだるかったり,いわゆる五月病といわれるような抑うつを訴える方も多いようです。病は気からともいわれるように気分的に滅入ると思わぬ病気を拾ったり,これから梅雨がくると食あたりやら喘息・心不全の悪化等々・・この時期は結構病気が多いです。皆様方も人の健康ばかりでなく,自分の体調にも気をつけて来るべき暑い夏に備えましょう。(少し気が早かったかも)
(編集委員 寺口 博幸)

|