=== 新春随筆 ===

全 国 学 術 修 大 会 を 終 え て



鹿児島県理学療法士協会 会長
                     梅本 昭英

 平成24年は私ども公益社団法人鹿児島県理学療法士協会にとって一大イベント担当の年でした。
 「より認知される理学療法を求めて〜評価と治療を究める〜」をテーマに平成24年10月5・6日,鹿児島市民文化ホール,南日本新聞会館を会場として,全国の理学療法士が集う第47回日本理学療法士協会学術研修大会を開催いたしました。
 「会員向けの研修」と「市民公開講座」の二本立てで構成し,合計2,600余人の方に参加いただき盛会裏に終了することができました。
 今回の研修大会開催にあたっては,鹿児島県,鹿児島市,県医師会,市医師会など多くの機関の方々からの温かいご支援とご協力をいただきました。鹿児島県理学療法士協会を代表して心から感謝申し上げます。
 我々が活動するリハビリテーション医療を取り巻く環境は,平成18年の診療報酬改定を境に大きく様変わりしてきました。
 それは過去の栄光に鎮座してこのまま過ごしては,その存在すら脅かしかねないという大きな問題を突きつけられていると思います。
 昭和41年の理学療法士法及び作業療法士法の制定から,リハビリテーションは障害を持たれた方に対する唯一無二の治療のように思われてきた感がありました。
 しかし,昨今のエビデンス重視の要請に十分に対応し発展・活動を進めてきたかというと,残念ながら満足のいく結果を得られていないのも事実として受け止めるべきであると思います。
 社会がその結果を普遍的なものとして求める,エビデンスを十分に示し切れていないという点を認識し行動することが大切だと考えています。
 平成24年4月に日本理学療法士協会は理学療法ガイドラインを発表しました。
 研修大会では,理学療法の評価と治療について同じテーブルで深く考え,学問としての理学療法を極めていく過程を皆で考えることを期待し企画いたしました。
 我々理学療法士が急性期から維持期(生活期)において国民の期待と社会の要請に応え得る専門職として認知されるよう研鑽を深めることができる研修であったと思います。

 「我が胸の
    燃ゆる想いにくらぶれば
           煙はうすし桜島山」

 最近の桜島は年間1,000回に迫る勢いの爆発を繰り返していますが,我々鹿児島県理学療法士協会員は,その桜島の勢い以上に今回の全国学術研修会にかけた思いは大きく,無事に大会を終了できた安堵とともにこれからの理学療法の展開に大いに期待しています。
 公益社団法人鹿児島県理学療法士協会の今後の活動は,会員へのますますの研鑽の場の提供と県民の方々に認知され求められる理学療法サービスの提供であると思います。
 多くの養成施設が誕生し,年間多くの理学療法士が養成され卒業し,理学療法士の存在が希少価値であった時代は終わりを迎え,質の競争時代に突入してきました。
 一つのイベントを区切りにして組織と個人がさらなる努力と飛躍を決意し,新しい年を迎えたいと思います。




このサイトの文章、画像などを許可なく保存、転載する事を禁止します。
(C)Kagoshima City Medical Association 2013