編集後記


 今年もあと2ヵ月を切りました。まさしく光陰矢の如しですが,皆さんやり残したことはないですか?我が家は10月上旬あたりからやっと長袖への衣替えがはじまり,世間はコスモス,紅葉と秋らしい風景になってきました。しかし,鹿児島の秋は短くそろそろ冬支度の時期でもあります。
 さて,「誌上ギャラリー」は大勝先生から「マリンポートへの直射を遮る白雲の群れ」の写真です。南国のリゾート地のような印象も受けます。ご寄稿ありがとうございます。
 「論説と話題」は第49回九州首市医師会連絡協議会についてです。日本医師会の横倉義武会長より『日本医師会の直面する課題』の演題で1.地域医療の再興,2.医師不足・偏在,3.今後の災害への準備,4.社会保障・税一体改革,につき講演されました。どれをとっても重要な課題であり我々も医師会活動を通じて支えていきたいと思います。
 「トピックス」は会員表彰についてです。受賞された先生方の長年のご努力に敬意と尊敬の念を表したいと思います。おめでとうございます。
 「医療トピックス」は第53回日本人間ドック学会学術大会について津崎先生と藏前氏の報告です。「病気を診ずして病人を診よ (See the patient, not the disease)」という言葉につきるとのこと,我々もその理念での診療を行いたいと思います。
 「学術」では鉾立先生より「分枝動脈瘤に対する動脈塞栓術あれこれ」です。塞栓術にマイクロコイル,無水エタノールやゼラチンスポンジ等が用いられ今後期待される治療戦略の1つとのこと。また蓑輪先生より「鹿児島生協病院における肺癌化学療法の現状」ではプラチナ製剤との併用療法及び分子標的薬の開発により治療成績も徐々に改善傾向にあるとのこと。貴重なご報告ありがとうございます。
 「随筆・その他」は古庄先生より「ルイ・ブライユ誕生200年記念切手A」が紹介されています。いつも珍しい切手のご紹介ありがとうございます。また,内山先生の公害行政の基礎づくりなどの公衆衛生にかかわる歴史,鮫島先生の昭和初期の幼き頃の1年間の思い出,有馬先生の中国内モンゴル医療事情視察から鳥取三朝温泉学会を通しての宗教文化遺産等へのふれあい,安達先生の仏心あらわれである9月30日の出来事や仏性についての随筆を興味深く拝読させていただきました。ご投稿ありがとうございました。
 「リレー随筆」は久保先生より「趣味もどき」です。先生の趣味を通して日米を比較されておられます。また「日本がいつまでもいい国でありますように」と結ばれています。
 「各種報告」の1つに平成24年度全国医師会勤務医部会連絡協議会があります。なるほど日本医師会の横倉会長は10月6日に松山市でご講演され,当日「論説と話題」にあります沖縄での第49回九州首市医師会連絡協議会でご講演されたわけで,会長職はタフでないと務まらないですね。
 「鹿市医郷壇」の題吟は「悩ん」でした。先生方の力作をいつも楽しみに拝読しております。ご投稿ありがとうございます。ここで一句「悩んだち よか句がでけん こいでよか」お粗末,再び。
 会長雑感は「医政なくして医療なし」です。日本医師連盟としては,国民皆保険の堅持や医療への市場原理導入反対等の医師会の主張について政策協定書を作り候補者の署名を推薦の条件にするとのこと。保健・医療政策に関し唯一の専門家集団として発言や働きかけが必要なため,会員のさらなる拡大協力をとのことです。
 さて皆さん,やっと過ごしやすくなり焼酎のお湯割りの美味しい季節となりました。この時期旅に出るもよし,読書をするもよし,美味しい食事を楽しむもよし。残り少なくなった2012年ですが,寸暇を惜しんで夜な夜な今年の反省会をしていきたいと思います。

                                    (編集委員長 上ノ町 仁

                                              

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