編集後記


 東日本大震災から1年半の時が過ぎましたが,なかなか復興が進まず東北の方々はご苦労されていると思います。特に原発事故で被災された方々は,家にも帰れず東京電力からの補償も当初の予定より減額,先延ばしにされているそうです。政治家,東京電力の方々も被災された方々の身になってスピードある対応をしていただきたいものです。
 「論説と話題」は「鹿児島市医師会病院の今後の対策」について,昇理事より医師会病院の経営改善策の様々な提案がありました。私も医師会員の1人として微力ながら医師会病院のために協力できたらと思います。「第56回九州ブロック学校保健・学校医大会,平成24年度九州学校検診協議会」は,心臓部門を河野理事,腎臓部門を前田先生,小児生活習慣病部門を中村先生,特別部門を竹之内先生に,眼科部門を田畑先生,耳鼻咽喉科部門を森山先生,運動部門を安達先生に報告いただきました。基調講演の講演T“レジリエンスの重要性”について永井先生が,講演U“想定外を生き抜く力を育む防災教育”については伊東先生が報告されています。「第60回九州学校保健学会」は,一般演題,会長講演,シンポジウムを川畑先生より報告いただきました。「第3回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会」は,鹿島会長,猪鹿倉副会長,年永理事,上ノ町理事が報告されています。
 「医療トピックス」のコーナーでは「グレープフルーツジュースの薬物相互作用について」で,フラノクマリンが含まれているため,相互作用の可能性があるとのこと,またオレンジジュースには含まれていないということを初めて知り勉強になりました。また,「アミノインデックスがんリスクスクリーニング(AICS)について」では,男女合わせて合計7種のがんのリスクがわかるとのこと。また,医師会の検査センターを通じて依頼可能とのことです。保険適応外で高額とのことですが,今後は検査希望者が増えてくるのではないかと思います。
 「学術」では今村病院の本院,分院からご寄稿いただきました。本院の鮎川先生からは保存的加療により軽快を得た孤立性上腸管膜動脈解離の報告ですが,動脈解離で保存的な治療も可能であるとわかり大変勉強になりました。分院の原田先生からは,MRIを中心とした前立腺癌検診についての報告でしたが,PSA gray zoneに対する前立腺生検や,再生検に対し生検部位を決定するうえでMRIがかなり有効と思われます。両先生,貴重な報告ありがとうございました。
 「随筆・その他」では,古庄先生より「ルイ・ブライユ誕生200年記念切手@」が紹介されています。この方,アルファベットの点字を発明された方とのこと。恥ずかしながら私初めて知りました。貴重な切手の紹介ありがとうございました。内山先生からは「公衆衛生異聞−私史・公衆衛生行政から−(前編)」とのことで,衛生教育に捧げられた情熱にただただ脱帽するばかりです。後編も拝読させていただきたいと思います。鮫島先生からは「サハリン紀行」についてご寄稿いただきました。リレー随筆では中目先生よりご投稿いただきました。ゴルフ,テニス好きは知っていましたが,今でも両方されているのは驚きです。今度,ゴルフをご一緒させていただければと思います。
 「各種支部だより」では,内科医会CPC報告です。神経内科からの症例提示があり活発な質疑応答があったとのことです。
 「各種報告」では,平成24年度鹿児島市学校腎臓検診,学校糖尿検診の報告がされています。ご参照ください。
 「鹿市医郷壇」のテーマは「茶碗」でした。
 「会長雑感」では,公立志津川病院 菅野武先生の講演の感想です。大災害時に,冷静に判断を下すことは大変だと思いますが,菅野先生の座右の銘のようなことが普段出来ていれば,どういう事態に陥っても自然と行動できるのだと感じました。
 寒暖の差がでてくる季節となってきました。この季節は,体調を崩しやすい頃でもありますので体に気を付けながら,頑張っていきましょう。

                                    (編集委員 角  純啓

                                              

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