2月は確かに寒かった。日本海地方は近年にない大雪に見舞われ,地球温暖化はどこにいった?という感じです。しかし最近やっと春の麗らかな風にのって花の便りも徐々に聞かれるようになり,華やかな雛祭りもあり,ようやく厳しい冬から解放される季節がやってきました。3月は卒業シーズンですし,自然も人もいろいろな意味で状況が変わる時期ですね。
さて,「誌上ギャラリー」は大勝先生から「汐見龍」の写真です。自治会館ロビーに展示されているようですので一度見学に行ってみたいと思います。ご寄稿ありがとうございます。
「論説と話題」は会長候補者所信表明がありました。昨今の医師会の求心力低下に対し,盛り返すためには支部での交流と執行部の広報活動の充実が大切とのこと。会長には市医師会の抱える諸問題に対し陣頭指揮をとっていただくことを期待します。
「トピックス」では小児生活習慣病予防検診について,本会小児生活習慣病対策委員会の島委員長と吉永委員の取り組みがMedical Tribuneに掲載されたものの転載です。小児肥満に対する20年に渡るご努力,そして介入に際し「ネガティブメッセージは出さない」との答えには感銘致しました。ちなみに本号の「各種報告」に平成23年度分の報告がありますのでご参照下さい。
「医療トピックス」ではCCrによって減量が必要な抗真菌薬についてです。慢性腎臓病患者の増加や高齢化社会により腎機能低下患者が増えており,我々が知らないと患者さんにご迷惑をおかけする可能性もあるため勉強になりました。
「学術」では益田先生より「肺がんの治療と診断」についてです。非小細胞肺がんでは分子標的治療薬が登場しEGFR遺伝子変異の有無によって治療法を考える時代になったとのこと。また海江田先生からの「大動脈周囲リンパ節転移を来した混合型肝癌の一例」はHCCとCCCの両成分が混在する比較的まれな疾患にskip metastasisを起こした興味深い症例です。貴重なご報告ありがとうございます。
「随筆・その他」では古庄先生より「エイズに関する切手シリーズ@」が紹介されています。エイズ発見から30年経つのですね。いつも珍しい切手のご紹介ありがとうございます。また,西橋先生の「おかしなこと2つ3つ」は,やはり狐に騙されたのかもしれませんね。鮫島先生の「就職事情の変遷」は,病院創設当時看護職員獲得に東奔西走大変なご苦労をされたとのこと。当時からの先生の病院・職員に対する信念が結実し今では優秀な人材が集まる病院となっておられます。
「リレー随筆」は古田先生よりご投稿いただきました。高校大学時代ビートルズの虜になり音楽に凝るも,大学卒業で一時オーディオとは遠ざかりiPodとの出会いでまた再開されたとのこと。趣味は心に潤いを与えてくれますし,これからも先生のお気に入りの音を追求して下さい。
「各種報告」では平成23年度日本医師会医療事故防止研修会の報告があります。日常診療での医療事故削減への参考にしたいと思います。
「鹿市医郷壇」の題吟は「苦情」でした。いつも楽しく拝読しております。ご投稿ありがとうございます。ここで一句「医報ん苦情なんでんどうぞち太っ腹」う〜ん,お粗末。
「会長雑感」では診療報酬改定の動きから,国の医療費削減を目的とした市場原理主義が見えてくる。かかりつけ医や小規模病院の維持には国民の負担増は必須であり,国民の賛同を得るための地道な努力が必要とのこと。本年はまた医療界とは離れた雑感も期待します。
桜前線の情報も聞かれるようになりだんだん過ごしやすい時期になりましたが,不意をつき春寒もやってきます。先生方も体調を整えつつ,皆と集える花見の日々を楽しみに待ちましょう。
(編集委員長 上ノ町 仁)

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