随筆・その他

リレー随筆

私のオーディオ歴

東区・紫南支部
(ふるたクリニック)         古田 利久

 平成17年6月2日,宇宿の地に開業して,早7年経ちました。開業当初,周りはほとんど更地で所々に建物が建っているぐらいでした。一階の診察室にいても遠くまで辺りを見渡せることができて,開放感がありましたが,その後,あれよあれよという間に建物が建って,まるでゲームのシムシティーを目の前の現実で見ているような感覚にとらわれました。その間に台風,大雨,雪など自然の脅威にもさらされましたが,何とか乗り越えてやってこられました。診療所“ふるたクリニック”,通所リハビリテーション“ほのぼの”から開始し,その後,クリニックに隣接して有料老人ホーム“優美庵”,“嬉楽々館”,デイサービス“優美庵”を開設しています。また,訪問看護ステーション“優美”,居宅介護支援事業所“嬉楽々”と,介護サービスの充実も図ってきました。本年2月には新たにグループホーム“優嬉”,住宅型有料老人ホーム“優花”を開設しました。今まで駆け足で走ってきた感じです。今後も,外来診療だけでなく,在宅医療にも力を入れ,地元の方々に愛され,信頼される病院を目指して頑張っていきたいと考えています。

 話は変わりますが,自分の趣味としては,魚釣り,旅行があります。キス釣り,堤防釣りも時間があるときには行ったときもありましたが,開業してからは,のんびりと遠出することもできず,ご無沙汰しています。友人から,海釣り公園もいいよ,結構釣れるよと誘われることもあり,もう少し暖かくなったら,重い腰をあげて子供でも一緒に連れて行こうかなと考えています。
 いま,趣味として凝っていることはオーディオです。そもそも凝り出したのは,紫南支部の忘年会の時,ゲームの景品としてiPodが当たって,いじり始めたのがきっかけです。こんなちっぽけなものから音楽を聴けるのか思っていました。オリジナルのイヤホンからの音は大したことはなく,こんなもんかなと諦めていました。しかし,偶然持っていたSONY製のイヤホンに代えたときの鮮明な音の感動は今でもはっきりと覚えています。それからは,iPodの虜です。毎日のように音楽を聴き始め,訪問診療の移動中に後部座席で“ゆず”の曲を半分眠りながら聴いて,気分転換を図ったりしていました。iTuneから音楽をダウンロードすることはないのですが,CDを借りて,昔聴いた音楽や最近の音楽をiPodに移して聞いていました。ある時,iPodをトイレに落としてしまって,音が出ないことがありました。一時,放心状態でしたが,扇風機であおいで,1週間乾燥させたら復活して,それまで以上に良い音を奏でてくれました。その後,ウォークマンが良いと聞きつけ,iPodは息子に譲り,現在はもっぱらウォークマンで音楽を聴いています。息子に譲ったiPodはある日洗濯機の中で洗われてしまい,現在はパソコンの横で音を出すことはなく休んでいます。さすがに乾燥させても無理でした。
 iPodを創造した,Steve Jobsは昨年亡くなりましたが,このような音楽という宝物を再度プレゼントしてもらって,大げさですが彼と同時期に生きることができたということだけでも感謝しています。
 音楽に凝りだした最初のきっかけは,高校時代に聞いたビートルズです。私が聞き始めたときはすでにビートルズは解散していました。なにげなく,カセットラジオをつけたとき,ビートルズの曲がかかっていました。一度聞いたらもうビートルズの虜となり,ラジオからカセットテープにダビングした“Hey Jude”をテープがすり切れるぐらい繰り返し聴いたものです。大学に入ってからは,オーディオを持っていなかったのに,“Let It Be”のシングルレコードをなぜか買ってしまって,それを聴くため音楽鑑賞部という訳がわからない部に入って,“Let It Be”を聴きまくっていました。部の方にとっては迷惑千万だったと思います。大学からの帰り道に,学生アパートから“Let It Be”の音が流れて,自分と同じように,ビートルズにのめり込んでいる人がいるのだと,会ってない人に親しみを覚えたこともありました。その頃のビートルズの曲は何もかも新鮮で,衝撃的でした。歌詞の内容もよくわからず,そのテンポ,メロディーラインに感動したものでした。
 大学を卒業してからは,オーディオとは遠ざかっていましたが,iPodでまた再開です。アンプ(ONKYO A-5LV),CDプレーヤー(SONY SCD XA5400ES),スピーカ(ONKYO D-77MRX)を買い揃えて,休みのときはお気に入りのCDを聞いています。CDの数も増えてきています。ジャンルは様々で,ポップス,クラシック,ジャズ,ロックあらゆるものを聴いています。今後はインターネットからの音楽のダウンロードという方向に向かっていくと思いますが,まだまだCDの音質は捨てがたく,数が少なくなってきたCD屋さんに時々足を運んで試聴し,気に入ったCDを買ったりしています。また,ビートルズのremaster版のCD BOXが出ると聞きつけて,ステレオ,モノラル版とも揃えてしまいました。自分の大切な宝物として,大事にしています。学生の時,聴いた音と比べ,音質が異なり,かつて聴いた音と同じ音が出せないのかと,物足りなさも感じており,いろいろなオーディオを試してみたいと考えています(といっても,今聴いている音が音質的には非常に優れているとは思うのですが)。昔の感動をまた味わいたいという,ノスタルジーみたいなものかもしれません。
 オーディオに関してはまだまだ初心者ですが,自分の気に入った音を求めて,いろいろなオーディオ機器を試聴して,今後も音楽,音に感動していきたいと思っています。

次号は,川原泌尿器科の川原元司先生のご執筆です。(編集委員会)




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