あけましておめでとうございます。会員の皆様方にはご家族おそろいで健やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年の夏は熱中症が多発する記録的な猛暑,ゲリラ豪雨など異常気象が起こり,特に適応能力の低い高齢者がまず健康被害を受け,尊い命も奪われました。気候変動の問題は,人間の生き方,多くの種の絶滅リスク,地球とのかかわり方を考え直す姿勢が求められていると思います。昨年中は鹿児島市医師会病院に対する多大なご支援を賜り,会長はじめ会員の先生方には感謝申し上げます。
昨年4月から鹿児島市医師会理事に推挙され,健康学習,福祉,医報・広報・医療情報システムを担当することになりました。理事に就任する前は病院,患者さんのことで精一杯でしたが,執行部に入ってみて医師会の地域で担っている役割の大きさ,任務の重さ,重要課題の多さがよく理解できました。会員の先生方のお役に立てるように努力したいと思います。
政権交代した民主党の診療報酬の増額,医師不足の解消,勤務医待遇改善などのマニフェストは医療関係者には期待されるものでしたが,平成22年度の診療報酬改定は微増に終わりました。それでも,当院にとっては術中迅速病理組織・細胞診の出来高復活,救急医療管理加算・急性期看護補助体制加算・手術料の増点,DPC(診断群分類包括評価)の若干の係数増加などで一息つける改定でした。これで赤字基調からの脱却の目処がつき,先送りにされてきたIVR・CTとICU周術期患者集中管理システム機種の更新が可能となりました。64列MD-CTが11月から稼動し始め,冠動脈CTもスムースに撮影できるようになりましたので,会員の先生方にもぜひ利用していただきたいと存じます。
市泌尿器科医会の要望で昨年4月から泌尿器を増科いたしました。腎癌,膀胱癌,前立腺癌,膀胱・子宮脱などの手術,癌の進行に伴う水腎症に対する尿管ステント留置・腎瘻造設など徐々に症例が増えています。患者さんのご紹介宜しくお願い申し上げます。
化学療法委員会や認定看護師による研修会を当院職員および会員施設の職員を対象に定期的に開催しています。「皆で化学療法を勉強する会」には市内,市外,県外の施設から医師・看護師・薬剤師が多数参加されています。当院の6人の認定看護師による看護師を対象とした小児救急・救急看護・集中ケア・手術部位関連対策・職業感染対策・大腸癌などの教育研修会を実施しました。看護師のスキルアップになると思いますので是非参加を勧めてください。
病院機能評価(Ver5)が認定されてから5年目になり,本年11月にVer6を受審することになりました。機能評価受審のためには数多くの書類の作成,複数の会議の出席,研修会・講習会の開催が義務付けられ全職員がさらに忙しくなりましたが,職員同士の連帯感が生まれチーム医療が浸透しました。第三者の評価を受けることで患者中心の安全な医療を提供しなければならないという意識改革が起こりました。
財源の捻出に苦慮している民主党の聖域なき事業仕分けは医療政策にも及び厳しい医療環境が続くことが予想されます。会員の先生方との連携をさらに密にし,地域医療に貢献してまいりたいと思いますので,今年もご指導・ご支援お願い申し上げます。

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