随筆・その他

リレー随筆

翻  弄

南区・谷山支部
(桜ヶ丘内科胃腸科) 市来 秀一
 ここ数年は以前の私の生活とは一転,翻弄されています。先日は,3歳の娘の幼稚園運動会へ行き,10歳?いやもっと離れた?親たちに混じって親子競技に参加しました。2年後の必ず出なければならない親子リレーは今から憂鬱です。リレー中に転倒,園医をしている父に救護されるという最悪な状態だけは避けたいところです。誰かに診断書でも書いてもらって欠席できたらいいのですが。
 まさかこの歳になってこんなに動物園や水族館へ行くことになるとは想像もできませんでした。平川動物園は何度行かされた?行ったことか。はっきり言えることは動物園は夏に行くべきところではないということです。去年のお盆休みにシーガイアに一泊し,その帰りに娘のためにとフェニックス自然動物園へ寄りました。入場していきなり緩やかな上り坂から始まります。真夏の日差しのなかは数メートル歩くのも地獄です。しばらくしてようやく動物が見えてくるのですが,あまりの暑さに動物も動かず,檻3つ目ぐらいで引き返しました。滞在時間15分,開園して間もないのに退場する客がいるとは,係員もあきれていたかもしれません。どんな動物がいたか,娘がどんな反応をしたか,そんなことは全く記憶にありません。
 福岡のマリンワールドへ行ったときも暑い日でした。イルカのジャンプを見たら娘が大喜びするだろうと,30分も前からイルカショーの会場に陣取りました。客席側だけ屋根があり,ステージ側はオープンというエアコンのない空間で,大勢の人で蒸し風呂状態でした。ここまで読んでくださった方は容易に想像できると思いますが,私の夏のエアコン設定は20℃です。大汗をかきながら私がどれだけがんばってショーを待っていたか理解していただけると思います。残念なことは,娘が全くイルカジャンプに興味がなかったことです。いおワールドはもちろん海遊館,美ら海水族館,八景島シーパラダイス,鳥羽水族館にも行きました。個人的には鳥羽水族館がお勧めです。水槽の位置が低く小さい子供でも自分で立ってみることができます。照明自体が明るく,またきれいに清掃されていて魚がよく見えます。ジュゴンを見ようと訪れたにもかかわらず,娘のヒットは特設会場に置いてあったカブトムシの幼虫でした。
 メタボリックシンドローム,ダイエットなど何かと耳障りな言葉が巷にはあふれています。異論がある方もいらっしゃるかもしれませんが,声を大にして申し上げます。私も体型に気をつけようという気持ちはあるのです。ただ困ったことにその効果が本人はもちろん誰にも気づかれていないのですが。飲んで帰ったあと,冷蔵庫にあった焼き菓子を2個食べたいところをぐっと我慢して1個だけに,とこれだけ努力しているのに,なぜ翌朝には家族から非難されなければならないのでしょうか。そもそも6個中の1個なのになぜ食べたことがばれるのでしょうか。ダイエットグッズも取り揃えました。エアロバイク,EMS(微弱電流で筋肉を鍛えるやつ),ジョーバ。つい先日コレクション入りしたのがレッグマジックです。自慢ではありませんが常に出番待ち,押入れや部屋の隅で眠っています。唯一大活躍しているのがジョーバです。娘が“お馬さん”に乗っています。
 


次号は、上山クリニックの上山教夫先生のご執筆です。(編集委員会)




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