鬱陶しい雨が続き、いよいよ梅雨到来を感じさせる季節となりました。セ・パ交流戦も始まり、もうじきワールドカップサッカーがやってきます。スポーツファンとしても目の離せないシーズンになりました。一方、政局は混迷が続き、普天間基地問題では5月末までの決着を豪語していた鳩山政権ですが、「最低でも県外」という政権公約は、もろくも崩れさり、移転を検討した徳之島では町をあげての反対、もはや自民党政権時に決定されていた沖縄県名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設以外の選択肢はなくなってしまっている状況です。首相も今頃になって、県外移設がこれほど困難なものとは野党時代には考えられなかったと発言している始末で、果たしてどのような決着を試みるのか、興味あるところです。
誌上ギャラリーのコーナーでは、大山先生からバラの雫の写真が届きました。まさにこの季節に見かけられそうな一コマですね。ありがとうございました。
論説と話題からは、今村理事より性同一性障害についてのガイダンスが紹介されています。本人自身の問題、あるいはその周囲の人間のもつ感情、見る目の問題など複雑な人間模様があり、一筋縄では決して語ることのできないものだと思います。私たち医療サイドの人間としましても決して安易な判断ができるものではなく、場合によっては積極的な介入も必要な問題なのだと痛感させられます。この機会にぜひ会員の先生方にもご理解をいただき、来るべき日には然るべき対応ができるよう備えていただけたらと思います。
切手が語る医学のコーナーでは、古庄先生から医学への貢献者の切手をご紹介いただいています。医学界の偉人にも切手が発行されているんですね。いつもありがとうございます。
随筆のコーナーでは、鹿島先生からプラセボ効果についての投稿がありました。医療とは、学問的に正しい医療を行うことではなく、患者のために役立ってこそ意義があるというお言葉、私も肝に銘じたいと思います。鮫島先生からは、ニワトイコシタエと題して鶏にまつわる思い出を投稿していただいています。私も家で鶏など飼育していましたが、医学用語を交えたご説明に感銘して読ませていただきました。そして家畜を食することで逆に万物に対する愛情と生命の尊さを学ぶというご意見に納得させられました。西橋先生からは、就職にまつわるエピソードをご寄稿いただきました。肺結核を患われた日々から、今日に至るご家族のお話をお伺いするうちに、戦後間もない当時の厳しい状況に比べれば、自分たちは恵まれているということを痛感させられました。ありがとうございました。
リレー随筆のコーナーでは、窪田先生から新幹線について投稿いただいています。冒頭なつかしい歌の歌詞が紹介され、これは誰もみんなが知っていると思ってしまいました。出張は確かに時間が優先される時代になり、鹿児島在住の私たちとしては、飛行機がメインになっていますね。いよいよ新幹線の全線開通、先生のおすすめのようにぜひ開通した暁には、大阪あたりまで新幹線で旅行をトライしてみようかなと思います。
各種報告では吉永先生より、若年者心疾患対策協議会総会でのご報告の中でAEDの普及の効果が報告されています。ぜひご一読ください。また井後吉久先生の訃報が届きました。謹んでご冥福をお祈りします。
鹿市医郷壇のコーナー、今回の兼題は「雑巾」です。どこの家庭にでもある雑巾ですが、作者それぞれに思いはいろいろあるようです。楽しく読ませていただきました。ご投稿ありがとうございました。
いよいよ参議院議員選挙がはじまります。混迷する政局、与党に対して、果たして国民はどのような審判を下すのでしょうか。私たちみんなの暮らしがすこしでもよくなる政治となることを祈るばかりです。
(編集委員 竹元 雅一)

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