編集後記

 今月の鹿市医郷壇の兼題は「貝掘い(けほい)」でした。子供の頃に、出不精であった我が一家が5月連休になると揃って出かけるのが吹上浜の潮干狩りでした。車で10分程度と近いこともあったのでしょうが、松林をくねくねと抜けて到着、小一時間もあれば一家で食べるには十二分のアサリが取れる頃でした。あれから40年弱、吹上浜には行っていませんが、噂に聞くと松くい虫のせいで以前のような青々とした松林ではないとのこと。脳裏に残って居る松林のイメージを壊さないためにはもう行かないほうが良いのかもしれないなと思っています。
 さて第5号は新年度・新体制を受けて、ご挨拶をたくさん頂きました。旧第二外科の井本新教授を始めとし、市医師会新役員および退任される役員の方々からご挨拶をいただきました。また区・支部だよりにも新旧支部長・区長の先生方からご挨拶をいただきました。当編集委員会でも委員交代が行われ、宇根前編集委員長・年永前副編集委員長・長友前編集委員の送別会が先日開かれました。宇根先生は今回理事退任の挨拶をご寄稿いただきましたが、その席上でスケジュール帳を見せて下さいました。3月までは理事としての行事でほぼ埋め尽くされており、「4月からスケジュールが大分すっきりしたよ」とおっしゃられていました。退任される諸先生方、本当にご苦労様でした。また新役員の方々、多忙になると思いますが、お体に気をつけて頑張っていただきたいと思います。
 今回の学術は4題と充実しています。症例が2題、稀な症例として「カルチノイドと腺癌の混合型肺癌」、「節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫」の報告をしていただきました。東京慈恵会医大・細谷先生からは、市内科医会学術講演会「高尿酸血症と慢性腎臓病」の講演内容を寄稿していただきました(各種部会報告でも紹介されています)。また「特定健診の標準的な問診表によるEBM」からは、@特に男性で、A体重が20歳から10s以上増加するとメタボになりやすく、予防には、B日常生活で運動、C食生活の改善(食事の速さや飲酒量)が必要であるという大切で耳の痛い結論をいただきました。
 切手が語る医学では、シュバイツァーとジョージ・ブッシュの取り合わせというギニア赤十字記念の切手シートで、今ひとつ取り合わせの意味が理解できませんでしたが、いつも本当に色々な切手があるものだなと感心します。随筆コーナーでは、安達先生が仏教を取り戻せない日本人についてのお話を、西橋先生が「ビール」と「ナイフ」という簡潔なタイトルで幼少時から学生時代の思い出を投稿していただきました。鮫島先生には飛行船について語っていただきましたが、文中の「日立・キドカラー」の飛行船は私も子供の時に頭上を飛んでいるのを見たことがあり、確か「ポンパ号」という名前で、灰色の船体にマスコットの鳥が描かれていた様に記憶しています。オーディオシステムについて熱く語って頂いた川畑先生ですが,「居乍らにして生演奏に近い音質で聴くことができるのは最高の幸せ」ということで、最高の投資であったのではと思いました。リレー随筆では外山先生に一人っ子についての思いと、お父様のことについて投稿していただきました。ありがとうございました。
 4月は寒暖の差が激しく、天候不順の感がありました。五月晴れを期待したい今月ではありますが、桜島は未だに活発で、このまま灰まみれの夏へ突き進んで行くのでしょうか。心配です。


                                          (編集委員 山口 剛司
                                        
                                      


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