天
上町支部 吉野なでしこ
大概大概がまこて難し人交際
(大概大概が まこてむっかし ひとつっけ)
(唱)十人十色思ごちゃいかじ
(唱)(十人十色 おもごちゃいかじ)
私たちは周りの家族、親族、隣人、友人、職場や仕事関係の人といった多くの人と関わりながら生活をしています。
人には好き嫌いがあったり、時には利害関係が生じたりして、この他人との付合いに凡人は悩みます。この他人との大事な距離感がつかめず苦労をしていますが、要は思いやり、感謝の心でしょうか。
地
武岡 志郎
飲めばくさ失のた友達は大概な程
(飲めばくさ うしのたどしは 大概なひこ)
(唱)飲まんな人は仏様言が
(唱)(のまんな人は ほとけさあちゅが)
酒癖の悪さの典型は、饒舌となり自慢話の多い人で、これはまだ憎めませんが、態度が急変して攻撃的になったり、平気で嘘を吐く輩には参ったものです。
自制ができず酒に飲まれる人の代償は大きいものがあり、期せずして辞任となった中川大臣の酒による醜態が、酒に飲まれる恐さを物語っていました。
人
大崎町 植村聴診器
容姿しゃ大概で良か言て貰ろた嫁め恵っ
(よしゃ大概で よかちゅてもろた よめのさっ)
(唱)いっも笑顔で休まい心
(唱)(いっも笑顔で やすまい心)
きみまろの漫談を聞いていて納得ですが、女性は今の若さが美しいのであって、女性も自然と老いていきます。
しかし悲しいかな男性は、容姿が変わるものであることに気付かず、結婚相手に理想を求めて外見を気にします。
このような優しい温かい心根の女性に巡り合えた男性は幸せだと思います。
五客一席 大崎町 植村聴診器
命相手医師ん修業いな大概は無し
(いのっえて 医師んしょぎょいな 大概はのし)
(唱)油断大敵真剣勝負
(唱)油断たいてっ 真剣勝負
五客二席 上町支部 吉野なでしこ
大概な事ちゃ手口八丁で片付けっ
(大概なこちゃ てくっはっちょで かたづけっ)
(唱)決断力が人よっか違ご
(唱)(けつだんりょっが 人よっかちご)
五客三席 伊敷支部 谷山五郎猫
大概大概で決めっ綻るい国の施策
(大概大概で きめっほこるい くんのさっ)
(唱)税金ぬ大事じ使こえち叫っ
(唱)(税金ぬでじ つこえちおろっ)
五客四席 紫南支部 紫原ぢごろ
ストレスも大概で暮らせば苦にならじ
(ストレスも 大概で暮らせば 苦にならじ)
(唱)深こは考げんこっじゃち決めっ
(唱)(ふこはかんげん こっじゃちきめっ)
五客五席 清滝支部 鮫島爺児医
給付金議論な大概で早よ配れ
(給付金 議論な大概で はよくばれ)
(唱)言た事ちゃつうつせんな騒動事
(唱)(ゆたこちゃつうつ せんなそどごっ)
秀 逸
錦江支部 城山古狸庵
大豪邸言で行たっ見りゃ大概な家
(だいごうて ちゅでいたっみりゃ 大概な家)
大概大概な英語が通じた交流会
(大概大概な 英語がつじた こうりゅかい)
釣い逃げた大概な魚でん大と語っ
(ついのげた 大概ないおでん ふとかたっ)
清滝支部 鮫島爺児医
五分でな診察大概言て保険点数下がっ
(五分でな みかた大概ちゅて てんさがっ)
長げ挨拶大概で済まさにゃ欠伸ぶ産ん
(なげえさっ 大概ですまさにゃ あくぶうん)
大概食てんまだ食う孫を祖父あ撫ぜっ
(大概くてん まだくう孫を じあなぜっ)
武岡 志郎
大概大概が大麻で土俵い泥を塗っ
(大概大概が 大麻でどひょい 泥をぬっ)
噴っ競ご大概な頑張った桜島
(ふっぐらご 大概なきばった 桜島)
大崎町 植村聴診器
僻地医者大概な病ずや全料診っ
(僻地医者 大概なびょうずや ずるっみっ)
紫南支部 紫原ぢごろ
逃げた魚大概な法螺で広ぐい手
(にげたいお 大概なおぎらで ひろぐい手)
伊敷支部 谷山五郎猫
大概な品揃たスーパが潰し店
(大概なしな そろたスーパが つぶし店)
伊敷支部 矢上 垂穗
厄介事大概で済まして様子すば見っ
(やっけごっ 大概ですまして よすばみっ)
薩摩郷句鑑賞 25
梅ヶ渕ち合格く願っ茶断っ母
(うめヶふち ごうかくねごっ ちゃだっかか)
野口 嫁菜
国立大学の入学試験が始まるけれども、受験生はもちろん、その家族も、落ち着けない気持ちであろう。各地の神社には、合格祈願の受験生や家族が押しかけているようだが、梅ヶ渕観音など、霊験あらたかということで参拝が多いようである。
祈願に行った日から、茶断ちまでして合格を願う母親のためにも、「受験生がんばれ」と応援してやりたい。
鏡かあ膿が出ろそなわぜ面皰
(かがんかあ うんがでろそな わぜにくん)
丸田みとえ
自分の顔が、いちばん気になる年頃にできるのがこのニキビである。鏡をのぞいてみても、どうなるものでもないのだけれど、ついのぞきたくなるのが人情というものであろう。
「鏡から膿が出ろそな」という比喩も、いささかオーバーだが、それだけに、のぞいているご本人の溜息が聞こえるようである。
御苑にも草が芽を出た地久節
(ぎょえんにも 草が芽をでた ちきゅうせっ)
三條 六花
三月の声を聞くと、日ましに寒さもうすらぐし、日差しも急にやわらかになる。
木の芽も、草花のつぼみも、引き伸ばすようにふくらむ時期であるが、きっと御苑にも、春の草が芽を出し始めているころであろう。皇后様は絵をお描きになるので、運の良い草花は、スケッチしていただけるのかも知れない。
今日は皇后誕生日。知らない人々も多かろうが、昔は「地久節」と言っていた。天皇誕生日は「天長節」であった。
※三條風雲児著「薩摩狂句暦」より抜粋
薩 摩 郷 句 募 集
◎5 号
題 吟 「 真実(まこっ) 」
締 切 平成21年4月6日(月) ◎6 号
題 吟 「 嫁(よめ) 」
締 切 平成21年5月7日(木)
◇選 者 永徳 天真
◇漢字のわからない時は、カナで書いて応募くだされば選者が適宜漢字をあててくださいます。
◇応募先 〒892−0846
鹿児島市加治屋町三番十号
鹿児島市医師会『鹿児島市医報』編集係
TEL 099-226-3737
FAX 099-225-6099
E-mail:y-ishigaki@city.kagoshima.med.or.jp |
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