=== 年頭のあいさつ ===

年 頭 の 挨 拶「看 護 職 の 夢」
鹿児島県看護協 会長

     秋 葉 公 子
 謹んで新春のおよろこびを申し上げます。
 平素より、当協会事業運営には多大なるご協力・ご支援を賜り厚く感謝申し上げます。おかげさまで、社団法人鹿児島県看護協会は、昨年「法人化30周年」の記念事業を、第11代日本看護協会久常節子会長をお招きして、記念講演会を開催いたしました。講演テーマ 「見える、分かりやすい、実感できる−看護協会に」の中で、「看護基礎教育の4年制化大学化及び卒後臨床研修制度の実現に向けて、広く社会に働きかけていく」と力強く述べておられました。平成19年4月に厚生労働省がとりまとめた「看護基礎教育の充実に関する検討会報告書」の骨子を受けての内容です。達成可能な夢であればと願っています。
 「夢なくして新しい年を迎えてはならない」との故事にならい、当協会も2009年が、夢と希望を語り合い、集いあう場所にしていきたいと念じています。そして、鹿児島県の看護職員の仕事(ワーク)と人生(ライフ)の目標達成に向けて、看護協会の事業計画や行事が利用・活用されることを願って、鋭意努力しております。
 ところで、わが国の病院に勤務する看護職の離職率(転職・定年退職含む)は年間12.4%であり(日本看護協会病院看護実態調査速報)この数字は、ここ数年ほとんど変化していません。病院に勤務する約82万人の看護職のうち、年間実に約10万人が病院を退職していますが、看護大学の卒業生の離職率は少なく、定着率もよいという報告もあります。
 看護職が働き続けられる労働条件、労働環境づくりを目指し、「WE NEED YOU」のパンフレットを作成し、さまざまな働き方のサポートの事例等は、看護管理者の支えとなっていることと思います。また、看護職の定着促進を図り、離職期間の短縮化と潜在化の防止に努めているところです。過日、終了しました「再就職支援セミナー」にも一昨年(35名)に引き続き33名の再就職希望の看護師たちが、熱心に講義と実習を受けました。再就職が実現できるようさらに支援して参ります。
 その他の課題として、昭和23年保健師助産師看護師法が制定されてから、60年が経過しました。この間21回の部分的な改正(資格名称を男女統一の師に変更など)が行われましたが、抜本的な全面改正はなされていません。看護師の役割拡大と人々に最善の看護を提供するために、現行法の特に第5条は看護師の業務が「療養上の世話と診療の補助」である旨を規定していますが、この概念が抽象的であるが故に看護職自身が自律しないまま、あいまいさを甘受しています。看護専門職として、その外縁を自ら決定しその内包を充実すべく一人一人の自律ある行動が望まれています。
 当協会におきましても、時代の要請を受け、医師会等のご協力を得ながら県民のヘルスケアニーズに対応すべく看護の役割として、予防医療重視の看護の推進、入院から在宅へと途絶えることのない生活と健康への支援について責任を果たしていきたいと願っています。
 最後になりましたが、貴医師会のご発展をお祈りしつつ、本年も当協会事業にご支援御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。




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