随筆・その他

ポ ン コ ツ 車 な れ ど
西区・武岡支部
            脇丸 孝志

 思えば小中幼年、士官学校までは、月例若しくは学期、学年末毎に身体検査が行われていた。あれから六十数年、良くぞここまで生き延びてきたものぞと改めて思う。

『1』既往歴
 平成2年…前立腺肥大症による排尿障害・経尿道的摘除術で略完治。65歳、生まれて初めての驚き。父母に享けた身体髪膚、敢えて傷つけたのは不孝の初めという訳。許して賜れ。
 平成5年…陳旧性椎間板ヘルニアによる右坐骨神経痛・手術で完治。あの激痛一生忘れぬ。
 平成8年…右ソケイヘルニア・バッシーニ手術で完治。剃毛前後の面映ゆさ。あの年でも。
 平成15年…脳梗塞・即刻入院、旬日で後遺症なく略完治。全く幸運、感謝感謝、先生様。

『2』現 症
 頭部…前及び頭頂部殆ど禿げ、毛髪極めて少なき総髪、浦島太郎の図。古色蒼然たり。
 頚部…後屈、側屈、回旋障碍少々、頭重感、肩凝りなど電動マッサージ器で気休め。
 四肢…膝部・右下腿に大きな静脈瘤と皮下出血斑、足背のシビレなど。下肢のストレッチは十数年来欠かさず実行中。効果絶大、天命まで実行する覚悟。果すが良い。キバレ。
 胸腹部…左ソケイ部に筋肉萎縮によるヘルニア出没。稀に不整脈。高血圧と糖尿病。降圧剤服用中。因果な水痘ビールス神経痛は命果てるまでの付き合いを覚悟。抗ビールス剤常備。喜寿検診までは数病あれどまあ息災といった按配だったんだが、今はかかる体たらく。特記すべきは最近目立って酒量が激減いや、飲まずに済む按配、斗酒尚辞せずの昔日の俤は何処へ消え去ったのか、驚きで我ながら不思議でならぬ。
 心因…就眠障碍、深夜早朝覚醒、(睡眠誘導剤服用)無意味な行動多彩。末期高齢躁鬱症状、記憶障碍、(理解に手間取る、忘れっぽい)わが名と家を忘れる莫れ。精神安定剤時折服用、仏前礼拝、花水香1日たりとも絶やさず。健気にも墓守の勤め、感謝の毎日。
 計測値…身長153センチ(3センチ縮)、体重(57s不変)、胸囲(86センチ不変)、腹囲(82センチ不変)、所謂横張りのコジックイ体型、最近、筋肉萎縮による皮膚のたるみが目立つ。当り前、気にするな、老眼鏡視力(左右共1.2)、色神(正常)、聴力(正常)、肺活量(3,500cc不変)、握力(右20s、左15s、愕然。若い頃50s後半。仕方ないナ)、排尿時間回数(大約45秒。小約20秒。夜間3回昼間不定)。指先不器用、米粒大の物を拾いにくい。情けなく思う。しかし最期まで闘うのだぞ、生き延びるんだ。

『3』予 後
 計り難し。明日のことは神仏のみぞ知る。終。


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