編集後記


 殊のほか暑い日が続いた今年の夏も9月に入り朝晩は涼しさを感じるようになりました。日本には四季があり自然はちゃんと虫の音も届けてくれます。ありがたいことです。
 「誌上ギャラリー」は尊田先生の「棚田の秋」です。いつもながらの美しい風景写真に先生の感性の豊かさを再認識いたしました。
 「論説と話題」では、まず定時総会での県医師会米盛会長の特別講演を掲載させていただきました。混沌とした現在の医療を日本の医師の歴史・医師会発足の経緯・医療保険制度の変遷・医療法改正を中心に鋭い切り口とユーモアを交えわかりやすくお話しいただき、最後に医師みずから変わることで感動を与える医療を提供しようと閉めておられました。また、第40回九州地区医師会立共同利用施設連絡協議会では九州各県の医師会立施設における共通の問題点について率直な意見交換がなされたとの報告がありました。特別講演は公益法人制度改革と医師会の対応、医師会立共同利用施設の今後のありかた、DPC導入時、導入後の問題点など興味深い内容のお話でした。
 「学術」では鹿児島医療センターの郡山先生がTSH受容体抗体病について2症例の報告を中心に詳細な考察をされておられました。また、久留米大学内村教授の講演による「生活習慣病と不眠」については現代人の多くがいかに不規則な生活習慣の悪影響を受けているか改めて考えさせられました。
 「随筆・その他」には古庄先生の切手が語る医学として麻薬撲滅運動の切手を掲載させていただきました。医学に関する多くの切手があることに今さらながら感心させられます。リレー随筆は今回梅林先生に執筆いただきました。新規開業のご苦労が忍ばれ今後のご活躍を期待いたします。上笹貫先生には「南薩観光簡単虎の巻」と題し、南薩の詳細な歴史的背景からの観光ガイドを投稿いただきました。今後の南薩小旅行にぜひ参考にさせていただきたいと思います。刀圭会夏季例会の特別講演は昇先生の笑いがもたらす様々な医学的作用についてのお話でした。「笑うかどには福来る」昔からありますね。
 「各種報告」では第4回日医男女共同参画フォーラムについて市医師会女性医師部会理事、長柄先生のご報告をいただきました。今回は全国的にも医師不足が社会的な問題となっていることもあり、男性医師からの質疑・討論が多かったとのこと。国家試験合格者の3割が女性であり、今後女性医師(特に若い女性医師)の活躍の場をいかに広げてあげられるかがとても大切なことだと思われます。
 「訃報」馬場泰光先生ご逝去に鹿島会長より弔辞をいただきました。私事で恐縮ですが馬場先生とは鹿児島中央高校卒業の医師の集まり(通称:柳・どじょうの会)で毎年ご一緒させていただき、昨年は小児科医のお立場から講演もしていただきました。もうあの明るいお人柄に接することが出来ないのがとても残念でなりません。せめて今はゆっくりと好きな音楽でも聴いておられたらと思います。馬場先生のご冥福をお祈りいたします。
 もうすぐ鹿児島の短い秋がやってきます。学会や講演会も多くなります。私も耳学問でもよいので少し勉強するとしましょうか。

                                        (編集委員 長友由紀子




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