鹿 市 医 都 都 逸(18)

今月は秋の句を、募集いたしましたが、応募作品が無かったので、小生の拙作を、御披露させていただきます。
お 題:「秋深し・菊・紅葉・栗・晩秋・月など…」
パールランド病院 猪鹿倉 武
すねて別れて すぐまた逢うて
月がとりもつ 腐(くさ)れ縁
月にてらされ 虫の音(ね)聞けば
オツな気分に なるわいな
平田橋から 中之平通り
そぞろ歩きの 月の夜
後ろ姿が よく似た女(ひと)を
思い出させる 萩月夜
好いていながら 嫌いな素振り
月の光に つい寄り添いて
来月もよろしくお願いいたします。
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都 都 逸 と は 都都逸は江戸後期に流行した「七・七・七・五」の二六音字で唄われる定型詩です。恋情を唄ったものが一般的ですが、社会風刺的な都都逸も数多く生まれています。
俳句や短歌のように季語などの難しい制限がなく、日常の出来事を題材に、粋に面白く、ときに皮肉を込めて、自由に詠える都都逸は、その親しみ易さから時代を越えて多くの愛好者がいます。
初めての方でも左記の「都都逸講座」を読めばバッチリです。皆さん、都都逸に挑戦してみませんか?
都都逸講座
都都逸は「七・七・七・五」の二六音字の定型詩ですが、ひとつルールがあります。
それは、「七・七・七・五」の七音のかたまりを更に「三・四」「四・三」「三・四」「五」のリズム(語呂がよくなる)で詠むというものです。
最初の七を「上七」、二番目を「中七」、三番目を「下七」、最後の五を「座五」といい、上七と下七には字余りが認められていますが、その形は四四形に限られます。
また、字余りではありませんが、中七は「四・三」形の他に「二・五」形が認められています。
例えば、『散切り頭を 叩いてみれば 文明開化の 音がする』という歌では、「ざんぎりあたまを」を上七、「たたいてみれば」を中七、「ぶんめいかいかの」を下七、「おとがする」を座五といいます。
どどいつ(都都逸)とは庶民の心の悩み、悲しみ、ネオン界の男女の喜怒哀楽を、また、世の中の不満などを三味線で唄にのせ、小粋に口遊(ずさ)んだものです。

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