1. 身の回りを整える
天変地異の予感すら漂う程、天、人両災害の多発と並行して、世界中にめまぐるしい社会情勢の変化が現れて、地球温暖化の弊害と叫ばれてはいるが、その防止策たるや、各国の利害得失が入り乱れて足並みは一様ではない。勢い、その昔、武窓で習慣付けられた緊急事態に対処する身の回りの整理整頓という作業が何時の間にかやたら繰り返されるようになった。つい先日のこと、机の引出しを整理していたら縦12センチ余、横9センチ、厚さ1センチ、340ページ程の表紙の破けた古い極小冊子が出てきた。何と軍歌集『雄叫』ではないか。幻の陸軍予科士官学校生徒隊編、皇紀2600年『昭和15年』刊行とある。目次、冒頭、鳴呼北白川宮殿下、校歌に続き、軍歌、国家儀礼歌、同期生歌、雄叫、兵種の歌、軍歌、新選軍歌、海曲、雑歌、国歌など10篇ズラリ。これを手に、朝な夕な校庭で雄叫び続けた6年余を回想すると夢の又夢、将に白昼夢。この時期に、昭和維新の歌なる悲壮な歌曲が生徒間に流行り心酔触発された挙句、武蔵野のとある禅寺平林寺に座禅修業を試みる者続出した事を思い出す。さて本題に戻る。…
セピア色に変色したこの冊子の冒頭に拙い万年筆の文字が読み取れる。確かに私自身の筆跡。表紙は破れて千切れ落ち、書いた文字も退色して判読し難い箇所多く辛うじて以下の通り『稜威みづし久米の子等が粟生には?其根が基、其根芽つなぎて、うちてし止まむ、みづみずし久米の子等が垣下に、植えしはじかみ、口ひびく、われは忘れず討ちてし止まむ』と何とか判読できた。紛れもない60余年も前の筆跡。懐かしいデアル。激しい訓練に疲れた身には、何とも詰まらぬ普通学の授業、眠気と必死に闘っていた頃、書き連ねた落書きの名残が何と古語。ここら辺り推察できる。整理整頓なる躾の思い掛けぬ功徳かも知れぬ。
2. 捨て切れぬ思いは勿体無い
先ずは「イ」・『仙台平製の信玄袋』を挙げよう。古希記念に東北地方一周の旅に出掛けた折、記念にと参加者全員に贈られたもので朝夕重宝している。小旅行には好適の一品。仕事やレジャーなどにとても重宝。「ロ」・『実用ことわざ便覧』小桜書房編集発行、460ページ机上の必需品「ハ」・『広辞苑電子辞典』シャープ製、頻用「ニ」・「『小史』五十八期生会、非売品、昭和58年9月20日五十八期生会発行、限定版「ホ」・伸縮自在の『ミニボールペン』引っ張ると長さ14縮めると10センチ、メモ帳と共に旅の必需品「ヘ」・『豚毛のヘアーブラシ』、通販利用英国製20年以上愛用中「ト」・肌毛髪兼用の『薬用ローションーシーランド』、頭髪は勿論顔手足全身に使用できる優れもの「チ」・『ワイシャツ用腕輪』、鹿児島弁横張イのコジックイ短胴短肢、「身幅身丈首周りMでも上下肢S」故にシャツズボン類の袖、裾が5−8センチ程余るンだもン。「リ」・『鰹節削り器』近年見掛けなくなった枕崎の行商オバサンから仕入れる大小の鰹節を削る道具、その都度必要量だけ削って出汁に好適「ヌ」・『電動マッサージチェアー』寝室に入れ込んだもので愛用中。こうした肌身に染み込んだ数々の品、思い出すまま列挙。屋根裏にガラクタの山出現は当然の成り行き。手垢に馴染むと愛着が湧き棄てきれず未練が残る。それでイイジャンカ。(後ニ続ク者ヲ信ジテイル)

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