新春随筆
「 内 診 問 題 に 明 け 暮 れ て 」 |
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中央区・中央支部
(産科婦人科柿木病院)
日母県支部長 柿木 成也
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平成16年、鹿児島県より発した内診問題。全国に波及して未だに終息の息を脱し得ず、遂に日医を動かして平成18年を越年してしまいました。
そもそも、医療法に基づく保助看法の未熟さから人為的に起こった問題で、人間が作った法律で自然現象を統括しようとしている所に問題があります。
昭和20年迄は、衛生問題は警察行政の管理下にあった今の厚生行政が終戦を機に厚生省という日本の医療行政を管理する省として作られ、末端に保健所が作られ現在の保健所が医療の全般を見守っている所に、警察行政の一部と交錯する部分とのひずみが今回の内診問題と絡み合う問題と相成った所に根本的な原因がひそんで問題を複雑にしてしまった様であります。
鹿屋で発生したそもそもの原因は、資格問題が第一で、羊頭狗肉の如き存在で産科学院が開設され助産行為を許していた行政に、失職中の一助産婦が投書した事より燎原の火の如く波及した助産婦問題を医療事故と結び付けられた事より問題がますます複雑に相成り、収拾の道が断たれ、昭和23年時代の法律の不備という所までに遡り、此処に国会で審議されねばならぬ法律改正という大きな問題に相成っている所に、一朝一夕で出来る問題ではなくなりました。
法律改正がなされねばならぬというお産問題を抱えている人間社会をよそ目に、片や野生猿は増え続けて人間社会を困らせている肝付地区に対して助産婦不足で産科行政が麻痺している人間社会は、自分達の作った法律で人間の自然現象がままならぬとは何という矛盾でしょうか。
正に文明社会制度に人間はつぶされて猿族はせせら笑っている平成18年の年の終わりは人間が猿喰という姓を名乗って猿族を喰っていた時代と裏腹に、猿に喰われて実りの秋を嘆いている人間族は主客転倒してそれこそ人間を猿が喰っているようなもので自然を壊しているのは人間の方であります。猿を食べると神の祟りがあるという諺の方が真実ではなかろうか。とかく、今の世の中は法律が悪い方へ足かせとなっている様であります。
美しい国のために、法律など明るい社会を作るために政治家は勉強してほしいものであります。
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