編集後記
◆やっと寒い冬を抜け出し、桜も満開になってきました。花見だと浮かれたいのですが、4月からの診療報酬大改定でその準備や対応に時間と神経をすり減らされる毎日です。2年前は改悪だと大騒ぎしていたことを思い出します。今回は郵政民営化にみられた小泉自民党の影響でしょうか、みんな容認しているのか、諦めているのか不満の声が小さいような気がします。
◆残念ながら鹿児島市医師会も在宅ケア部門、看護専門学校の廃止が決定され担当理事の定員が縮小されました。組織が小さくなると寂しくなるというかモチベーションが下がってしまいます。4月から新夜間急病センターが鴨池にオープンしますので関係者は大変でしょうが成功を祈念しています。
◆誌上ギャラリーは有馬先生の「甲突川河畔のカルテット」です。花見で一杯飲みたくなるのは私だけでしょうか。
◆論説と話題は鹿児島医療センター(循環器・がん専門施設)院長中村先生からの投稿です。独立行政法人国立病院機構九州循環器病センターの病院名変更は現在の医療制度の変革から苦渋の決断だと察します。鹿児島の臨床医療、臨床研究、卒後研修に必要な医療施設ですので、これからもますますの御活躍と病院の発展を期待しています。
◆医療トピックスは、今回の診療報酬新設のニコチン依存症管理料についてのタイムリーな話題です。肺ガンの罹患率が低下することでしょう。
◆学術は鹿児島医療センター(循環器・がん専門施設)の皆越循環器部長の投稿です。臨床での心エコーについて臨床に沿って系統立てて解説されています。心エコー法は循環器疾患の早期発見と診断治療に必須の手段であることがよくわかりした。
もう一題は菅原和行先生による最新遺伝子検査、特にSNP解析について解りやすく説明してあります。ヒトゲノム3000MBの0.1%の個人特有の塩基配列でかつ人口1%以上に同じ部位に異なる塩基をみる場合をSNPと呼んでいるそうです。この解析データと環境要因、生活習慣因子、家族歴を総合判断すると、どのような疾患に罹りやすいか予想が立てやすくなるとのことです。今後の研究が期待されます。
◆随筆・その他は朝倉先生のハーヴェー・クッシングの物語です。今回は幼少期からエール大学合格までのストーリーです。医学とどこで繋がるか次号が楽しみです。
◆切手が語る医学はアフガニスタンの切手が戦争後の医療事情を風刺しているようです。
◆花シリーズは50回目でバラです。残念ですが今回で最後となりました。水枝谷渉先生ご苦労様でした。
◆歴史小説の日羅伝も今回を持って完結されています。台明寺岩人先生お疲れさまです。
◆鹿市医郷壇のテーマは「卒業」です。いつも楽しい作品ありがとうございます。
◆さて、平成17年度も最後となり、市医師会も人事の変更があり、医報編集委員も入れかわりがあります。2年間無事に乗り越えられたのも会員の先生方の御協力のおかげです。今後も市医報が会員皆様の広報・交流の場としてますます活用されるように精進していきたいと存じます。
(編集委員 柳 悦朗)

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