=== 新春随筆 ===

       病棟検査業務実施加算の方向性について




 鹿児島県臨床検査技師会 会長  有村 義輝

 新春のお慶び申し上げます。
 鹿児島市医師会の先生方におかれましては,ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。また,日頃から鹿児島県臨床検査技師会の運営に際しまして,心温かいご理解とご支援を賜り心から感謝申し上げます。
 さて,昨年新春の挨拶において病棟臨床検査技師導入の意義について掲載いたしました。 今回は,それに纏わる病棟臨床検査業務実施加算の方向性について説明いたします。
 まず,日本臨床衛生検査技師会(日臨技)の提案は医療資源(人材)の効果的かつ効率的な活用方策及び患者サービスの向上を目的とする「病棟検査業務実施加算」の新設であります。これは,臨床検査技師が医療従事者の負担軽減及び医療安全・臨床検査値の品質保証・患者の検査情報の管理の有効性に資する業務を実施していることに評価して算定をすることを提案しております。さらに,日臨技は,今後技師が病棟業務を担うことで,医療の質向上につながるかどうかについて実施調査も行いました。その結果として,検査技師が病棟で行った業務は,検体採取や簡易検査,心電図,検査説明などで,このうちもっとも時間数が多かったのは,早朝採血検査結果スクリーニングや医師・看護師への検査情報報告などの「患者情報管理」平均約92分で,次いで「心電図」約74分,「医師・看護師等の業務支援」約62分などとなった。詳細には検査関連管理(採取及び搬送),カンファレンスへの参加,患者介助の業務に対して軽減されたと報告。また,病棟カンファレンスで結果説明,重点的にモニタリングする早朝検査項目の結果の主治医への迅速な報告を通じて,病棟検査業務の実施が医療の質向上につながる可能性があるとの調査報告がされております。
 以上,加算の方向性についてまとめますと,この実施調査状況やチーム医療をより一層推進させるために,病棟における臨床検査技師の常駐は必要と考え「臨床検査技師による病棟検査業務実施加算」の新設は必然と思われます。以上,日臨技の提案理由であります。
 私見として,まず,病棟業務導入を前に「検査部門内の業務整理が必要」であり,ここでの業務見直し・補完をすることで人員を確保し,現状の人員で検査業務拡充することでチーム医療への貢献さらには病院経営にも役立つのではと認識しております。病棟常駐への診療報酬評価を求めるには,まず,我々検査側の業務変革が絶対必要であり,現状維持の考えは破棄すべきと考えます。
 私,今後もチーム医療向上の為に,「気は高く,心は広く,頭は低く」この姿勢で臨床検査技師として医療業務に挑みたい。
 最後に,鹿児島市医師会の先生方とのチーム医療の一員として,しっかりと臨床検査技師の仕事をこなすことができるような技師会活動を行なう所存でありますので,ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。




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