=== 新春随筆 ===

       新  春  雑  感
(昭和21年生)



東区・紫南支部
  (吉村眼科) 高城 節守

 市医報より来年の干支は「戌」の年男にあたるとのことで原稿を依頼された。
 12年前に同窓生と「還暦」を祝ったのはついこの前のように感じる。
 普段は年のことなど余り気にしないで生活しているが,最近年のことをいやが応でも考えざるを得ない機会があった。
 私の家は災害に強い構造物という触れ込みのもと40年近く前に積水ハイムの家を建てた。去年の暮れ,北側の屋根の角が少しめくれているように感じた。
 ハイムの方に見てもらったところ,長年の間に雨水で天井の鉄筋が腐食しているので天井板を全部取り替える必要があると言われた。
 見積もりをとらせたところ,値段が三段階あり,一番高いのは八百万円もかかり25年間は補償できるとの由。次が七百万円台で20年はもつとのこと。
 自分の年からして後者を選んだ。
 私どもの世代は戦後の「ベビーブーマー」が始まる前年で,今騒がれている「2025年問題」の手前の年だ。子供の頃は今と違って,子供の数が3〜4人というのはザラで,祖父母のいる所は一緒に暮らすのが普通であった。お爺ちゃん・おばあちゃんといっても大抵80歳にならない前に亡くなっていた。
 従って,今日の「少子高齢化」など全く想像できなかった。
 この「少子高齢化」の問題は日本を含めた先進国共通の問題で,中進国の中国さえ問題になりつつある。
 国はこの問題に取り組むべく,子供の教育費の無償化や保育園・幼稚園の充実化を考慮中だ。それには財政が必須である。昨夜のテレビニュースで財務省は来年度の診療報酬の1兆円削減,75歳以上の現行の1割負担の2割化などを報じていた。これも「少子高齢化」のあおりなのだろうか。
 年初頭初から少し暗い話になってしまったが,皆に迷惑をかけないように少しでも「健康寿命」を長く保ちたいと願っている。




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